アルコール依存症とアルコール離脱症候群

アルコール離脱症候群とは、長期にわたる大量の飲酒の中断によって生じる多彩な病的変化(症候群)をいいます。以前は、禁断症状とよばれていました。

アルコール離脱症候群の中で、最も多くみられるものが「振戦せん妄」(しんせんせんもう)です。せん妄とは意識障害の一種で、軽い意識の混濁や興奮傾向による不安・恐怖などの情緒の変化や奇異な言動がみられます。

振戦せん妄では、不眠、大量の寝汗、頭痛などに続いて、手指の振るえ(振戦)、幻覚や幻聴、錯覚を伴ったせん妄、全身けいれん発作などが現れます。振戦せん妄は、通常一過性のものとされていますが、一部では、ウェルニッケ・コルサコフ症候群という慢性の健忘障害に移行することがあるとされています。

「アルコール幻覚症」もよくみられるアルコール離脱症候群の一つで、主な症状としては、意識障害がない状態で起こる幻覚、妄想、不安などで、通常数日から数週間の一過性のものとされていますが、一部は慢性の経過をたどるケースがあるようです。

「アルコール嫉妬妄想」は、アルコール妄想症やアルコールパラノイアともいわれ、配偶者の不倫に対する妄想が主なものとされています。アルコール嫉妬妄想は、中年以降の男性に多く、アルコール依存症に伴う性的能力の減退が原因と考えられています。

一般に、アルコールの離脱中では、抑うつ気分や、逆に、高揚気分など、気分障害が顕著に現れるとされています。

<関連記事>
アルコール健康障害対策基本法が施行

(2010年1月18日掲載)
スポンサーリンク
この記事へのコメント
1. Posted by MEGU   2018年05月03日 23:59
どすこいさん

ちょうど1年前の今頃、父が「アルコール離脱性せん妄」で20日間ほど入院していました。当時の父は、食事もほとんど取らず、お酒だけを飲むような生活でした。私も見かねて、父に「もうお酒、やめようか。」と話し、1日、2日…と急に飲酒をやめてからすぐ、幻覚や意識の混濁が現れ、私と母は、訳も分からず、救急車を呼び、そのまま入院することになりました。

断酒も、段階を踏まないと、このような事が起きることを、まったく知りませんでした。離脱性せん妄というものも、初めてこの時耳にしました。

退院して1ヶ月程は、通院もしていたので、断酒出来ていました。でも今は、またお酒を飲んでいます。然るべき病院なり、施設に入れて断酒させるしか方法はないのは分かっているのですが、現実的ではありません。本人にやめたいという意思がないからです。意思だけでは、やめられませんが…。

私も母も、正直その件に関しては、無力感を感じています。父の好きなようにしたらいい、とすら思ってしまいます。

長々と失礼しました。読んでくださり、ありがとうございます。
2. Posted by 運営者どすこい   2018年05月04日 07:45
MEGUさん

確かに断酒の意思だけでは止めるのは難しいので、通院を再開し、「レグテクト」といった断酒補助薬を使いながら、断酒できたらいいのですが、そもそもお父さんに止める気がないとなると、事は深刻ですね。ご家族としては強い無力感にさいなまれると思います。

まずは受診に向かわせること、ですかね。
3. Posted by MEGU   2018年05月05日 00:37
どすこいさん

まずは、今の自分の生活基盤と気持ちを大きく崩さないようにしたいと思います。自分の出来る範囲で、この問題には向き合っていこうと思います。

いつも、この場所があるから、踏ん張れて来ましたから^_^
4. Posted by 運営者どすこい   2018年05月05日 06:57
MEGUさん

そうですね。MEGUさん自身の生活と心身が最も大事だと思います。それはある意味で辛い決断かもしれませんが、くれぐれも無理をしないように、落ち着いて向き合っていきましょうね。
コメント投稿(運営者確認後に表示)
※運営者の判断によリコメントが表示されない場合(誹謗や中傷など)がありますので、ご了承ください。また、特定の病院に対するお問い合わせにつきましては、ご覧になった病院へ直接お願いいたします。
名前
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
スポンサーリンク
記事検索


Copyright © 2007-2023 「うつ」の心に癒しを。