心的外傷後ストレス障害(PTSD)と睡眠障害
心的外傷後ストレス障害(PTSD)においては、極度に外傷的なストレス(トラウマ)によって、数週間から数か月以内に、そのトラウマのフラッシュバックが起こるとされています。フラッシュバックとは、侵入的回想ともよばれ、思い出そうとしていないのに、突然そのトラウマを体験した時の感覚やイメージがよみがえってくることをいいます。
PTSDでは、トラウマを呼び覚ますような場所や人、行動、刺激などを避けるようになり、情緒的な麻痺が生じたり、周囲に全く反応しなくなったりします。PTSDのこれら症状と同時期に、睡眠障害が現れます。
PTSDの患者の7割以上で、トラウマに関する悪夢によって、中途覚醒や熟眠感の障害が現れるといわれており、睡眠障害はPTSDの一つの症状と位置づけられています。
PTSDでは、レム睡眠(身体は休んでいるが脳は働いている状態の睡眠)時に本来失われるはずの筋肉の活動がみられ、これが悪夢の際の異常行動(これをレム睡眠行動障害といいます)を引き起こし、ケガの原因となることがあるので注意が必要とされています。
PTSDでの睡眠障害の治療は、一般的な睡眠障害の治療と基本的には同じとされていますが、睡眠を維持しにくいことから、睡眠薬としては中時間型から長時間型が用いられます。
悪夢が激しい場合やレム睡眠行動障害を併発している場合は、抗てんかん薬のクロナゼパム(製品名:「リボトリール」「ランドセン」)や、レム睡眠を抑制する作用を持つ抗うつ薬のクロミプラミン(製品名:「アナフラニール」)やイミプラミン(製品名:「トフラニール」)が一般に用いられています。
<関連記事>
・「パキシル」がPTSDに適応
(2010年1月29日掲載)
PTSDでは、トラウマを呼び覚ますような場所や人、行動、刺激などを避けるようになり、情緒的な麻痺が生じたり、周囲に全く反応しなくなったりします。PTSDのこれら症状と同時期に、睡眠障害が現れます。
PTSDの患者の7割以上で、トラウマに関する悪夢によって、中途覚醒や熟眠感の障害が現れるといわれており、睡眠障害はPTSDの一つの症状と位置づけられています。
PTSDでは、レム睡眠(身体は休んでいるが脳は働いている状態の睡眠)時に本来失われるはずの筋肉の活動がみられ、これが悪夢の際の異常行動(これをレム睡眠行動障害といいます)を引き起こし、ケガの原因となることがあるので注意が必要とされています。
PTSDでの睡眠障害の治療は、一般的な睡眠障害の治療と基本的には同じとされていますが、睡眠を維持しにくいことから、睡眠薬としては中時間型から長時間型が用いられます。
悪夢が激しい場合やレム睡眠行動障害を併発している場合は、抗てんかん薬のクロナゼパム(製品名:「リボトリール」「ランドセン」)や、レム睡眠を抑制する作用を持つ抗うつ薬のクロミプラミン(製品名:「アナフラニール」)やイミプラミン(製品名:「トフラニール」)が一般に用いられています。
<関連記事>
・「パキシル」がPTSDに適応
(2010年1月29日掲載)
スポンサーリンク