病跡学からみる精神疾患と天才たち

精神医学には、「病跡学」という一つの学問分野があります。

病跡学は、傑出した天才的な人物の精神状態と生み出した作品との関係を、精神医学的な立場から研究する学問です。病跡学は、表現病理学とよばれることもあります。

ヨーロッパにおいては統合失調症圏の天才が多いといわれ、日本においては双極性障害(躁うつ病)圏の天才が多いといわれています。

統合失調症では、その症状である幻覚や妄想などの特異な体験が、作品に独特の個性を与えています。

統合失調症圏の天才としては、ドイツの作曲家シューマン、日本の夏目漱石などが知られています。シューマンは、晩年を精神科病院で過ごしています。病跡学者によっては、これらの天才たちを躁うつ病として捉える場合もありますが、いずれにしても、偉大な作品を残していることは事実です。

躁うつ病圏の天才としては、ドイツの文豪ゲーテ、ロシアの作曲家チャイコフスキー、日本の宮澤賢治などが知られています。躁うつ病では、うつ状態と躁状態を繰り返しますが、うつ状態では作品の生産性が低下するものの、うつ状態の心的内面の苦悩が作品に深みを与えている面があります。

精神疾患ではありませんが、知的障害や発達障害を持つ人がある分野で特異な才能を示すサヴァン症候群がよく知られています。サヴァン症候群では、日本画家の山下清が有名です。

発達障害を持っていた天才としては、物理学者のアインシュタインが有名で、5歳頃までほとんど言葉を話さなかったといわれています。

発明王エジソンは幼少時にその問題行動から学校を追い出されていますが、その特異な才能を信じたエジソンの母親は学校に代わって教育を手がけ、興味を持ったことを自由に勉強させていました。エジソンは、現在でいう、学習障害(LD)または注意欠陥・多動性障害(ADHD)であったといわれています。

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(2009年11月23日掲載)
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