心身症治療と漢方医学

西洋医学と東洋医学は、思想的立場を異にします。西洋医学が、近代科学に基盤を置き、分析的手法かつ心身二分論に立脚するのに対し、東洋医学は、自然思想に基盤を置き、包括的・個別的手法かつ心身一如に立脚しています。

東洋医学の中でも特に漢方医学では、病人を身体的側面のみならず、心理的・社会的側面を含めた全体から理解し、局所の病変を全体の不調和と捉え、包括的で個別的な医療を実践しています。心身症の治療において、漢方医学が注目されているのは、このような理由によります。

漢方医学において病気の原因は、臓器単体の機能異常にあるとは考えず、各臓器相互の機能的関係の異常にあると考えます。

具体的には、漢方医学においては、生体の恒常性(ホメオスタシス)は「気・血・水」の3つの要素によって維持されており、この気・血・水の不調和によって病気が引き起こされると考えています。

なかでも、心身医学の領域においては、「気」が最も重要視されています。気が滞る(気うつ)と、抑うつ、頭重、喉の詰まり感などが生じます。気が不足する(気虚)と、元気がなくなり、体がだるくなり、疲れやすくなります。気が逆流する(気逆)と、のぼせ、動悸、顔面紅潮などが起こります。

気うつには、厚朴(こうぼく)や半夏(はんげ)といった生薬が使われます。また、気虚には人参(にんじん)や黄耆(おうぎ)、気逆には桂枝(けいし)や紫蘇葉(しそよう)などの生薬が使われます。

(2010年8月29日掲載)
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