ストレスと睡眠の質
国立精神・神経医療研究センターは2011年5月13日付プレスリリースで、ストレスホルモンの調節異常と睡眠の質の低下とが関連することを明らかにしたと発表しています。
人間はストレスを受けると、脳内の視床下部が活性化し、最終的に副腎皮質からストレスホルモンであるコルチゾールを分泌します。コルチゾールは、短期的にはストレスにうまく適応するように働き、その分泌は、通常は一定の範囲に制御されています。しかし、慢性的なストレスによって長期にわたりコルチゾールが過剰に分泌され続けると、身体に様々な弊害が起こるとされています。
研究グループは、一般成人(精神疾患の罹患歴がなく、重い身体疾患にも罹患していない20〜70歳の139人)を対象に、ストレス反応を客観的に定量化し、睡眠の質との関連や、ストレス症状(心身症症状、強迫症状、対人関係過敏症状、不安症状、うつ症状)との関連を調査しています。
その結果、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が一定値以下に制御されていない人は、睡眠の質が悪いことが判明。また、睡眠の質の悪化は、ストレス症状の悪化と関連していることも明らかになっています。なお、コルチゾール値と睡眠時間との関連は、認められなかったといいます。
現代社会はストレス社会と言われ、また、うつ病患者のほとんどが睡眠障害を併発することが知られています。今回の研究は、質の高い睡眠を確保するためには、脳内のストレス反応を正常に保つことが重要であることを示唆しています。
また、今回の研究で明らかになった睡眠・ストレス症状・コルチゾールの関連が、うつ病をはじめとする精神疾患においても当てはまるかどうか、この検証が、今後の重要な課題になりそうです。
(2011年5月21日掲載)
人間はストレスを受けると、脳内の視床下部が活性化し、最終的に副腎皮質からストレスホルモンであるコルチゾールを分泌します。コルチゾールは、短期的にはストレスにうまく適応するように働き、その分泌は、通常は一定の範囲に制御されています。しかし、慢性的なストレスによって長期にわたりコルチゾールが過剰に分泌され続けると、身体に様々な弊害が起こるとされています。
研究グループは、一般成人(精神疾患の罹患歴がなく、重い身体疾患にも罹患していない20〜70歳の139人)を対象に、ストレス反応を客観的に定量化し、睡眠の質との関連や、ストレス症状(心身症症状、強迫症状、対人関係過敏症状、不安症状、うつ症状)との関連を調査しています。
その結果、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が一定値以下に制御されていない人は、睡眠の質が悪いことが判明。また、睡眠の質の悪化は、ストレス症状の悪化と関連していることも明らかになっています。なお、コルチゾール値と睡眠時間との関連は、認められなかったといいます。
現代社会はストレス社会と言われ、また、うつ病患者のほとんどが睡眠障害を併発することが知られています。今回の研究は、質の高い睡眠を確保するためには、脳内のストレス反応を正常に保つことが重要であることを示唆しています。
また、今回の研究で明らかになった睡眠・ストレス症状・コルチゾールの関連が、うつ病をはじめとする精神疾患においても当てはまるかどうか、この検証が、今後の重要な課題になりそうです。
(2011年5月21日掲載)
スポンサーリンク