飲酒欲求を抑える薬剤:アカンプロサートカルシウム

日本新薬は2012年3月27日付プレスリリースで、開発を進めているアルコール依存症患者の断酒補助剤(一般名:アカンプロサートカルシウム)について、同日厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表しています。

本剤は、中枢神経系に作用し、アルコール依存で亢進したグルタミン酸作動性神経活動を抑制することで、アルコール依存症患者の飲酒に対する欲求を抑制すると考えられています。なお、本剤については、2010年5月に厚生労働省が医療上必要性の高い未承認薬として開発を要請したという経緯があります。

国内で実施された臨床試験では、カウンセリング精神療法、自助グループへの参加をはじめとした心理社会的治療の補助として使用することにより、断酒の成功率(投薬24週間後の完全断酒率)で、プラセボ(偽薬)群に対して有意に高い効果が確認されたといいます。

国内のアルコール依存症患者にとっては、これまで抗酒薬(こうしゅやく)以外に薬剤がなく、新しい薬剤の開発が待ち望まれていました。なお、抗酒薬とは、アルコールの分解を抑え、少量の飲酒でも強く不快な二日酔い状態にさせ、飲酒を進まなくさせる薬剤で、飲酒に対する欲求そのものを抑制するものではありません。

【追記】
日本新薬は2013年3月25日付プレスリリースで、アルコール依存症患者の断酒補助剤「レグテクト」(一般名:アカンプロサートカルシウム)について、製造販売承認を取得したと発表しています。

【追記】
日本新薬は2013年5月27日付プレスリリースで、日本初となるアルコール依存症患者向け断酒補助剤「レグテクト」(一般名:アカンプロサートカルシウム)の発売を開始したと発表しています。

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(2013年5月27日更新)
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