人見知りは赤ちゃんの心の葛藤

京都大学は2013年6月5日付プレスリリースで、赤ちゃんの人見知り行動が、相手に近づきたい(接近行動)と怖いから離れたい(回避行動)が混在した状態、すなわち心の葛藤に基づくものであることを発見したと発表しています。

人見知りは生後6か月を過ぎた赤ちゃんに多く見られ、これまでは単に人を怖がっているだけ、人見知りの強い赤ちゃんは怖がりの気質を備えた子、と考えられてきました。人見知りは多くの場合、発達の途中で消えていきますが、そのまま人見知りを引きずる子もいるといわれています。

ちなみに、個人に特有の心理的傾向は一般に「性格」とよばれ、その基礎をなすものが「気質」とよばれています。性格が後天的に形成されるものであるのに対し、気質は生物学的に規定されているものであると考えられています。

研究グループは、赤ちゃん57人の気質調査(母親へのアンケート)を行い、「接近」と「怖がり」の2つの気質と人見知りの傾向との関係を調べています。その結果、「接近」と「怖がり」の両方の気質が強い赤ちゃんほど、人見知りの傾向が強いことが明らかとなり、“近づきたいけど怖い”という赤ちゃんの心の葛藤が浮かび上がっています。

今回の発見は、一人一人に合わせた能力開発への応用や、人見知りを全くしないとされる発達障害の理解に役立つものと評価されています。

◇雑感
生後6か月過ぎの赤ちゃんにも心の葛藤があるという。それが人見知りとなって現れる。赤ちゃんにとっての人見知りは、近づきたい心と怖いから離れたい心のせめぎ合い。単に怖いだけではないんだね。それぞれの持ち前を生かして未来を切り開いてほしいな。

(2013年6月8日掲載)
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