うつ病診断に光トポグラフィーが有用

さまざまな精神疾患の症状に共通する「うつ症状」は、専門医にも鑑別診断が難しい症状の一つとされています。当初はうつ症状だけを呈していてうつ病と診断しても、その後の治療過程で「躁症状」や「精神病症状」を呈して、双極性障害統合失調症であったことが分かるケースも少なくありません。

東京大学医学部附属病院と国立精神・神経医療研究センター病院は2013年6月17日付プレスリリースで、光トポグラフィー検査から得られる脳機能指標により、うつ症状を伴う精神疾患の鑑別診断を高い精度で行えることを確認したと発表しています。

今回の研究は、国内7施設が参加する大規模な多施設共同研究として実施。光トポグラフィー検査から得られた脳機能指標を用いて行った鑑別診断では、うつ病、双極性障害、統合失調症と臨床診断された各患者の8割前後を正確に鑑別できたといいます。

光トポグラフィーは、近赤外光をあてて脳の血液量の変化を測定することができる脳機能計測装置で、簡便かつ非侵襲的に脳機能をマッピングすることができるのが特徴です。厚生労働省は2009年、「光トポグラフィー検査を用いたうつ症状の鑑別診断補助」を先進医療技術として承認しています。

光トポグラフィー検査〜鑑別診断までの大まかな流れは、次のとおりです。検査時間は準備時間を含め10〜15分程度で、患者の負担が少ない検査といえます。
  1. 患者に光トポグラフィーを装着する。
  2. この状態で、指定する頭文字から始まる言葉をできる限り多く発話する課題を60秒間患者に行わせる。
  3. 患者が課題を行っている間、光トポグラフィーは、前頭葉や側頭葉における脳の活動を測定し、リアルタイムに画像化する。
  4. 画像データを解析し、課題に対する脳の活性化パターンがどの精神疾患のパターンに合致するかを判別する。

精神医療においては、主に問診から得られる情報に基づいて診断や治療が進められており、客観的なバイオマーカーに基づいていない点が問題視されて来ました。重要なバイオマーカーを提供する光トポグラフィー検査の今後の普及に期待したいと思います。

◇雑感
うつ病診断の切り札となりそうだ。東大病院などの共同研究グループが光トポグラフィー検査の有用性を明らかにした。客観的なバイオマーカーに基づく診断や治療の普及により、個別治療の質的向上はもちろん、誤診という人災が劇的に減ることを期待したい。

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(2013年6月23日掲載)
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この記事へのコメント
1. Posted by ノラ猫   2013年06月24日 00:11
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本当に鬱で苦しんでいる人をなまけもの呼ばわり出来なくなるものね。
それにしても、カウンセリング料は高いよ。
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