脳の発達と出生の関係

金沢大学と東京大学は2013年10月10日付プレスリリースで、「出生」が単に赤ちゃんを産み出すだけではなく、赤ちゃんの脳の発達を制御するという、従来知られていなかった出生の新たな役割を発見したと発表しています。

ヒトなどの哺乳類の生涯で最も劇的な環境変化は、母親から生まれ出る出生です。この最も劇的な環境変化である出生に対し、脳は何らかの変化を迫られていると予想されて来ましたが、脳発達における出生の役割はほとんど未解明のままだといいます。

研究グループは今回、マウスを用いた実験で、出生が脳の神経回路形成のスイッチとして働くこと、さらに、精神疾患などに関連する神経伝達物質セロトニンが、出生と神経回路形成とをつなぐ鍵となる物質であることを突き止めています。

今回の研究成果は、出生の重要性に注目が集まり、早産による発達障害や、精神疾患の発症メカニズムの解明につながるものとして期待されます。

◇雑感
母子共に命を賭けて臨む出生という大イベント。この出生が、赤ちゃんの脳の発達にスイッチを入れるという。興味深いのは、この時、赤ちゃんのセロトニン濃度が下がること。ひょっとして、母親の産後うつにスイッチを入れるのも、出生の働きなのだろうか。

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(2013年10月29日掲載)
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