大人になれないピーター・パン人間

童話「ピーター・パン」の主人公の少年は、永遠に大人になることができないという設定で描かれています。この童話にちなんで、幼児性を捨てて大人になることができない、つまり成長を拒否し、いつまでも子どものままでいたいと願う男性の心理指向を指して、米国の心理学者ダン・カイリーは「ピーター・パン症候群」と名づけています。

アイデンティティとは、変化する環境の中で様々な役割を演じる「私」を統合する一貫して変わらない自己、さらに、その自己が他者からも認められているという感覚をいいますが、ピーター・パン症候群に属する人は、モラトリアム人間とも呼ばれ、アイデンティティの確立を先送りにします。

アイデンティティの確立を先送りにした結果、自律的な人間になることができず、いつまでも“おとな子ども”の未熟な人間に留まります。気分屋で、人を恐れ、人とうまく関わることができないため、だんだんと疎外感や孤独感を強く抱くようになります。

ピーター・パン人間から脱出するにはどうしたら良いか。カイリーは、その著書『ピーター・パン・シンドローム』(小此木啓吾訳、祥伝社)の中でこう述べています。
自分の欠陥を知ったからといって、今さら親を責めても始まらない。むしろ、どうしたら大人になれるのか、まず大人になるという課題に目を向けることが大切だ。それには、「自分で自分を律する」ということがよくわかっていない自分の姿を直視する勇気を持ってほしい。そのとき初めてあなたに、どんなふうにやったらいいかという問題意識が生まれる。

◇雑感
現状に満足できず、幸せを招く「青い鳥」を求めて止まない青い鳥症候群。自己が定まらないというのか拡散しているというのか。大人になりきれないという意味でピーター・パン症候群と共通するのだろう。さて、この現代、続々と症候群が生まれていないか。

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(2014年3月9日掲載)
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