慢性疲労症候群で脳の炎症

慢性疲労症候群(CFS)とは、原因不明の極度の疲労感や倦怠感が6か月以上続く病気で、感染症や過度のストレスなど複合的な要因が引き金になり、「疲れが取れない」状態に脳が陥るためと推測されています。

CFSの詳しい発症メカニズムは分かっておらず、確実な治療法もまだありません。仮説の1つとして脳内炎症の関与が示唆されていますが、これまで証明されたことはありませんでした。

その脳内炎症の関与について、理化学研究所・大阪市立大学・関西福祉科学大学は2014年4月4日付プレスリリースで、CFS患者では健常者と比べて脳神経の炎症反応が広く見られること、および炎症の生じた脳部位と症状の強さが相関することを突き止めたと発表しています。

脳部位と症状の相関については、視床・中脳・扁桃体の炎症が強い場合は「認知機能の障害」が強く、帯状回・視床の炎症が強い場合は頭痛や筋肉痛などの「痛み」が強く、海馬の炎症が強い場合は「抑うつ症状」が強いことが、それぞれ明らかになったといいます。

今後、CFSの病態解明や客観的に測定可能な指標に基づく診断法の確立、根本的な治療法の開発につながることが期待されます。

◇雑感
慢性疲労症候群の患者の脳において、広く炎症が確認された。うつ病と症状が重なる病気だから、ひょっとすると脳内炎症についても共通しているのかもしれない。そうだとすると、うつ病の治療薬として抗炎症薬が処方されたりする日が来るのかもしれないな。

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(2014年4月29日掲載)
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