海馬の直接活性化でうつ状態改善

理化学研究所は2015年6月18日付プレスリリースで、うつ状態のマウスの海馬の神経細胞を最新技術を用いて人工的に操作し、過去の楽しい記憶を蘇らせることで、うつ状態を改善させることに成功したと発表しています。

この最新技術は「光遺伝学」と呼ばれるもので、光を感受するタンパク質を特定の神経細胞群に発現させ、そこに光を当てて神経細胞群を活性化/抑制化させる技術です。

今回の研究では、メスのマウスと一緒に過ごすという楽しい体験をさせた後、体を固定するというストレスを与え続けてうつ状態にしたオスのマウスを対象とし、楽しい体験をさせた際に活性化した海馬を再び光遺伝学を用いて活性化させたところ、うつ状態の改善が見られたといいます。

過去の楽しい体験の記憶に関わる海馬の神経細胞を直接活性化することで、うつ状態の改善に成功した今回の研究がさらに進み、うつ病の新たな治療法の開発につながることが期待されます。

◇雑感
うつの渦中、通勤途中で引き返し、通っていた保育園や遊んだ神社をよく訪れていた。遠い昔の自分の影をいくら追っても、決して明日へ希望は生まれて来なかったが。しかし、ひょっとするとこれは、海馬を刺激させるための本能の導きだったのかもしれない。

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海馬の記憶は書き換え可能

(2015年7月29日掲載)
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