夢を見るレム睡眠、脳機能回復に一役

筑波大学は2015年10月23日付プレスリリースで、レム睡眠には、デルタ波をノンレム睡眠中に誘発する役割があることを発見したと発表しています。理化学研究所との共同研究による成果です。

脳波としてはアルファ波(リラックス時に現れる)やベータ波(集中時に現れる)が知られていますが、このデルタ波も脳波の一種で、ノンレム睡眠中に現れやすく、記憶形成や脳機能の回復に重要な脳活動であるとされています。

研究グループは、脳科学における最大の謎の一つである夢を生み出すレム睡眠の役割について、レム睡眠とノンレム睡眠を自在に切り替えられるマウスを開発し、その解明に今回挑んでいます。

その結果、レム睡眠が抑えられたマウスでは、次第にノンレム睡眠中のデルタ波が弱まり、逆に、レム睡眠を増やすとデルタ波が強まったといい、レム睡眠にはデルタ波を誘発する役割があることが明らかになっています。

現在主流となっている不眠症治療薬には、レム睡眠を減少させる作用があるとされています。また、アルツハイマー病やうつ病の患者では、睡眠中のデルタ波の減少が知られ、レム睡眠の低下が脳機能の低下を招いている可能性があると考えられています。

今回の研究成果が、今後、これらの疾患の発症メカニズムの解明と共に、新たな治療薬の開発につながることが期待されます。

◇雑感
夢を見ないような深い眠りこそ理想的な睡眠だと考えていたが、どうもそうではないらしい。夢を見るような浅いレム睡眠も、脳の機能回復や記憶の形成に大きな役割を果たしているという。お酒を飲むと確かに深く眠れる。酒飲みにとってはとても耳が痛い。

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(2015年11月11日掲載)
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