ストレスに強い脳を作る遺伝子

山口大学と日本医療研究開発機構は2016年3月24日付プレスリリースで、長寿遺伝子や抗老化遺伝子と呼ばれる「サーチュイン」(SIRT1)の発現量が多いと、ストレスを長期間受けてもうつ病になりにくくなる可能性があることを発表しています。

研究グループは、長期的なストレスに適応できず人間の不安・うつ様行動を呈するようになったマウス(ストレスに弱いマウス)と、ストレスに適応できたマウス(ストレスに強いマウス)を用いて、脳内でどのような違いがあるかを調べています。

その結果、ストレスに弱いマウスでは、海馬においてSIRT1遺伝子の発現量が減っており、一方、ストレスに強いマウスでは、その発現量に変化はなかったといいます。

また、SIRT1遺伝子の機能を高める薬剤をストレスに弱いマウスに投与したところ、ストレスに適応できるようになり、逆に、SIRT1遺伝子の機能を低下させる薬剤をストレスに強いマウスに投与したところ、ストレスに適応できなくなったといいます。

今後、研究がさらに進み、ストレスが引き金となって発症するうつ病や不安障害の病態の解明や、SIRT1遺伝子を標的とした新たな治療薬の開発に繋がることが期待されます。

【出典】
プレスリリース

◇雑感
ストレスに強くなりたいと誰でも思っていると思うが、近い将来、それが薬剤の服用で実現できるようになるかもしれない。長寿遺伝子と呼ばれる遺伝子を活性化させれば良いのだという。カロリー制限をしても活性化するらしいのだが、それはちょっと・・・

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(2016年5月11日掲載)
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この記事へのコメント
1. Posted by 香菜子   2016年05月18日 15:45
統合失調症の家族を持つ香菜子と言います。日々、統合失調症の家族の介護に四苦八苦しています。最近の悩みは、日々のストレスで自分まで統合失調症や人格障害、精神病になってしまうのではないかということです。家族が統合失調症であることを考えると、遺伝子的には私もいつ統合失調症になってもおかしくない気がして怖いです。そうした不安な気持ちを少しでも落ち着かせるために、いろいろな方にアドバイスを受けたり、あるがままの森田療法を自分なりに勉強したりしています。香菜子
2. Posted by 運営者どすこい   2016年05月18日 19:41
香菜子さん
はじめまして。どすこいです。
症状の重さなどにもよると思いますが、身体的な疲労はもちろん、気苦労も絶えないのではないでしょうか。そのような状況の中で、何とかして自分の身も守ろうと、いろいろ勉強などもして偉いですよ。先々の不安もあると思いますが、とにかく決して頑張り過ぎず、息抜き・骨休めは必ずしてくださいね。
3. Posted by レモン   2016年05月20日 13:41
香菜子さん
はじめまして。レモンです。
私の息子19歳も統合失調症なので気持ちわかりますよ。
通院はしていますが病院には家族会などなく他に相談出来る場所も知らないです。
たまたまこちらを拝見しましてつい投稿しました。
4. Posted by 香菜子   2016年05月20日 18:58
どすこいさん、レモンさん、温かい御言葉ありがとうございます。統合失調症の家族は病院に行くのを嫌がってご近所迷惑になるくらき大声で叫んだりするので悩ましいです。せめて統合失調症であることを自覚してくれれば、必要な治療を受けて改善に向かうと思うのですが。悩みを打ち明ける相手もいないので、似た境遇の方たちにアドバイスを頂くととてもありがたく思います。感謝の気持ちでいっぱいです。香菜子
5. Posted by 運営者どすこい   2016年05月20日 20:09
レモンさん
はじめまして。どすこいです。
悩みを共有できる場があると心強いですね。各都道府県に「精神保健福祉センター」が設置されていますので、一度相談されてみてはいかがでしょう。
6. Posted by 運営者どすこい   2016年05月20日 20:31
香菜子さん
本当に悩ましいですね。くたくたになると思いますよ。そう、病識が生まれると、確実に回復へ向かうかもしれませんね。
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