PMS(月経前症候群)の治療法

日本産科婦人科学会では、PMS(Pre-Menstrual Syndrome、月経前症候群)を「月経開始の3〜10日位前から始まる精神的、身体的症状で月経開始とともに減退ないし消失するもの」と定義しています。

また、同学会では、PMSは「30歳代中期症候群」とも呼ばれるとおり30歳代からの発症が多く、一方で、PMSと似た症状を呈するうつ病についても30歳代からの発症が多いことから、最初の鑑別が重要であるとしています。

このような病気であるPMSについて、同学会では、次のような治療法が改善につながるとしています(出典より抜粋)。
  1. 毎日症状日誌をつけることは主訴の改善につながる。
  2. 最初に行われる治療は非薬物療法である。軽症から中等症のPMSは食事療法、毎日の運動、ストレス管理、リラクゼーション、支持療法などの非薬物療法を行う。
  3. 身体症状が優位なPMSには、排卵抑制を目的としたEP剤(注:卵胞ホルモンと黄体ホルモンの両方が含まれている薬剤)や漢方療法、疼痛に対してNSAIDs(注:非ステロイド性抗炎症薬)あるいは乳房[圧]痛にブロモクリプチン(注:プロラクチンというホルモンの分泌を抑える薬剤)を投薬する。
  4. 重症のPMSでは非薬物療法を補助療法として薬物療法が行われる。イライラ、抑うつがセロトニン低下による症状と考えられることから、情緒的症状が強い場合はSSRI(注:抗うつ薬)が使用される。PMSに対するSSRIの効果は60〜90%(プラセボは30〜40%)と報告されている。黄体期のみの投与で十分効果がみられると報告されている。

【出典】
日本産科婦人科学会雑誌61巻12号 2009年12月(PDF)

◇雑感
長い人で月の3分の1が悩ましい日々となるPMS。5月24日の日本テレビ「NEWS ZERO」では桐谷美玲さんがPMSの現状を取材し伝えている。以前より重症化している印象があると専門家は言う。社会的認知が進み、早期治療につながるといい。

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(2016年8月10日掲載)
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