脳内の炎症、PTSDと関連

東北大学は2016年11月1日付プレスリリースで、心的外傷後ストレス障害(PTSD)のモデルマウスで認められる恐怖記憶による行動異常に伴って、脳内のミクログリア※で炎症に関わるタンパク質(サイトカイン)「TNFα」の産生が増加し、また、行動異常の改善とともにその産生が減少することを発見したと発表しています。
※脳は神経細胞とグリア細胞から構成されますが、ミクログリアはグリア細胞の一つで、死んだ細胞や異物を貪食する“脳の掃除屋”としての役割を担っています。

さらに、ミノサイクリン(炎症性サイトカインの発現を抑制することが認められている抗生物質)の投与によるTNFαの抑制が、恐怖記憶による行動異常の改善(恐怖記憶の消去)を促進することが確認されたといいます。

今回の研究により、ミクログリアにおけるTNFα産生が恐怖記憶の保持に重要な役割を果たしていることが判明したことから、今後、TNFαをターゲットとした新たなPTSDの治療法の開発につながることが期待されます。

【出典】
プレスリリース

◇雑感
うつ病に脳の炎症が関わっているとする「神経炎症仮説」が知られるようになって来たが、今回、PTSDに脳の炎症が関わっていることが判明した。ところで、炎症仮説が本当だとすると、抗うつ薬には脳の炎症を抑える作用があるということなのだろうか。

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(2016年12月12日掲載)
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