社会からの隔絶が不安を増強

内閣府が2016年9月7日に発表した引きこもりに関する調査結果によると、引きこもり期間は「7年以上」が最も多いことが明らかになっていますが、この長期化の原因の一つに、一旦社会から隔絶してしまうことで不安がより増強され、社会復帰が困難になってしまうことが考えられています。

マウスを他の個体から隔離して長期間飼育すると、マウスの不安様行動が強くなることは既に知られていますが、脳機能のどのような変化が不安様行動を増強しているのかについては、これまで不明だったといいます。

京都大学は今回、他のマウスから隔離して一匹のみで長期間飼育した“社会隔離ストレスモデルマウス”を作成し、これまで不明だった不安様行動を増強させるメカニズムの解明を試みています。

その結果、社会隔離ストレスを受けて不安様行動を示すようになったマウスでは、特定のタンパク質が神経伝達の不全を起こすこと、また、この特定のタンパク質の作用を阻害する薬物を投与すると、不安の増強を抑えることができることを発見したと、2016年11月24日付プレスリリースで発表しています。

今後、今回発見された不安増強に関するメカニズムをターゲットとした新たな抗不安薬の開発などにつながることが期待されます。

【出典】
プレスリリース

◇雑感
日本うつ病学会は治療ガイドラインで、「休職」が長引くほど職場恐怖が生じ復職が困難になり得ると指摘する。今回京都大学の研究により、「引きこもり」が長引くほど不安が増強するメカニズムが発見された。どちらにも同じ原理が働いているんだろうな。

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不安の連鎖

(2017年1月3日掲載)
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