若い世代の自殺、深刻さ浮き彫り

厚生労働省は2017年5月30日、同日閣議決定された「平成29年版自殺対策白書」をホームページ上で発表しています。

発表された白書によると、平成28(2016)年の自殺者数は21,897人で、15年ぶりに3万人を下回った平成24(2012)年以降、5年連続で3万人を下回っています。

しかし、このように自殺者数が減少傾向にある中、今回の平成29年版の白書でも、前年版と同様に次のように述べて、若い世代における自殺の深刻さに警鐘を鳴らしています。

我が国における若い世代の自殺は深刻な状況にある。年代別の死因順位をみると、15〜39歳の各年代の死因の第1位は自殺となっており、男女別にみると、男性では10〜44歳という、学生や社会人として社会を牽引する世代において死因順位の第1位が自殺となっており、女性でも15〜29歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっている。

こうした状況は国際的にみても深刻であり、15〜34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは、先進国では日本のみであり、その死亡率も他の国に比べて高いものとなっている。

先進国における15〜34歳の死因の第1位は、日本を除き、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダのいずれの国においても「事故」となっており、日本では、第1位の「自殺」が第2位の「事故」の2.5倍超となっています。

【出典】
厚生労働省 平成29年版自殺対策白書

◇雑感
「我が国は特異と言える」。年齢が上がるほど幸福度も上がる米国に対し、日本では年齢が上がるほど幸福度が下がるという調査結果を受けての2008年版国民生活白書の言葉である。日本の若者が死に急ぐ背景の一つに、こんなこともあるのかもしれない。

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(2017年6月5日掲載)
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