社会的順位の低さ、うつ様行動を誘発
国立遺伝学研究所と静岡県立大学は2017年8月4日付プレスリリースで、社会的順位が低いと、脳内のセロトニン受容体に影響を及ぼし、不安様行動やうつ様行動を誘発することを、マウスを用いた実験で明らかにしたと発表しています。
(画像はプレスリリースより)
研究グループは今回、4匹の雄のマウスを同居させその影響を調べたところ、4匹の個体間で社会的順位が形成されること、また、順位の低い個体が順位の高い個体に比べ、顕著に高い不安様行動とうつ様行動を示すことを明らかにしています。
さらに、社会的順位の低い個体において、脳内のセロトニン受容体の機能が低下しており、抗うつ薬のSSRI(今回使われたのはフルオキセチンで、発表時現在、国内未承認)を投与したところ、不安様行動とうつ様行動が大きく緩和したといいます。
生活環境におけるストレスはうつ病発症に関わる一つの要因と考えられており、社会的順位によっても生じるストレスが脳に影響を及ぼすことを明らかにした今回の研究成果が、今後、ストレスヘの対処法やうつ病の新たな治療法の開発につながることが期待されます。
【出典】
国立遺伝学研究所 プレスリリース(PDF)
◇雑感
<関連記事>
・セロトニンを増やすと自閉症改善
・乳酸菌がセロトニンを増やす
(2017年9月28日掲載)
(画像はプレスリリースより)
研究グループは今回、4匹の雄のマウスを同居させその影響を調べたところ、4匹の個体間で社会的順位が形成されること、また、順位の低い個体が順位の高い個体に比べ、顕著に高い不安様行動とうつ様行動を示すことを明らかにしています。
さらに、社会的順位の低い個体において、脳内のセロトニン受容体の機能が低下しており、抗うつ薬のSSRI(今回使われたのはフルオキセチンで、発表時現在、国内未承認)を投与したところ、不安様行動とうつ様行動が大きく緩和したといいます。
生活環境におけるストレスはうつ病発症に関わる一つの要因と考えられており、社会的順位によっても生じるストレスが脳に影響を及ぼすことを明らかにした今回の研究成果が、今後、ストレスヘの対処法やうつ病の新たな治療法の開発につながることが期待されます。
【出典】
国立遺伝学研究所 プレスリリース(PDF)
◇雑感
社会的順位が低いと、顕著なうつ様行動を示す。これは動物の話だが、ヒトにも準用できる話かもしれない。社会的順位は、一度確立されてしまうと、その集団内で安定的に維持されるものらしい。ただ、人間は、環境を変えられないなら、自分を変えられる。
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(2017年9月28日掲載)
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