ストレスと過敏性腸症候群の新たな知見

名古屋大学は2017年12月12日付プレスリリースで、実験動物モデルを解析して、ストレスが過敏性腸症候群を引き起こす新しいメカニズムを明らかにしたと発表しています。

今回、過敏性腸症候群の動物モデルとして、拘束したうえストレスを与え、腸管に慢性炎症を来した“マウス拘束ストレスモデル”を解析したところ、次のようなことが明らかにされています。

  • ストレスが腸管において慢性炎症を引き起こすこと
  • この慢性炎症に血圧上昇に関わるホルモンの活性化が関与していること
  • 血圧上昇に関わるホルモンの活性化によって、血中のトリプトファンが減少すること
  • さらに、トリプトファンからセロトニンを作る酵素も減少し、血中のセロトニンが減少すること
  • ストレスにより、小腸から分泌される抗菌物質も減少し、腸内環境が悪化(悪玉菌の割合が増加)すること
  • 高血圧を治療する薬剤が、血中トリプトファン量、血中セロトニン量、腸内環境のいずれも改善させ、腸管の慢性炎症を改善させること

今回の研究結果は、過敏性腸症候群の新たな治療標的を示唆するものであるとともに、高血圧の治療薬が過敏性腸症候群の治療薬になり得る可能性を示唆するものであるといえます。

【出典】
名古屋大学 プレスリリース(PDF)

◇雑感
うつ病やPTSD、慢性疲労症候群においても脳の炎症との関わりが指摘されている。今回、過敏性腸症候群が腸の炎症と関連することが分かった。現代はストレス社会といわれる。この社会で戦い続けなければならないのは、自己防衛反応である炎症という“厄介者”かもしれない。

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(2018年1月29日掲載)
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