抗うつ薬の標的はグリア細胞

山梨大学は2018年6月12日付プレスリリースで、うつ病の治療薬である抗うつ薬が、神経細胞以外の細胞に作用して治療効果を発揮していることを発見したと発表しています。

抗うつ薬として広く用いられている選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、これまで神経細胞に作用して治療効果を発揮していると考えられて来ましたが、抗うつ効果が現れるまでの2〜6週間程度のタイムラグを理論的に説明することができませんでした。

研究チームは今回、SSRIのフルオキセチン(国内未承認)をマウスに投与して調べたところ、次のような作用機序が明らかになっています。なお、今回明らかになった作用機序は、フルオキセチンだけでなく、他の抗うつ薬でも認められたといいます。

<作用機序>
■フルオキセチンがグリア細胞※に作用
※神経細胞の物理的支持や栄養補給などを担う細胞

■アデノシン三リン酸※の放出が増加
※エネルギー代謝の中心的役割を果たす物質

■海馬のグリア細胞でBDNP※の発現が増加
※神経細胞の生存、成長、修復、新生などを調整する物質

■抗うつ効果

今回、抗うつ薬の作用機序が明らかになったことから、今後、より効果的で副作用の少ない治療薬の開発につながることが期待されます。

【出典】
山梨大学 プレスリリース(PDF)

◇雑感
神経細胞に直接作用しているのならタイムラグを生じないはずなのに、実際は抗うつ薬を飲んでもすぐには効かない。僕も2〜3週間はかかると言われたが、それには理由があったのだ。一方、副作用はすぐに出るのはなぜなのか。その機序も分かれば、もっと良い薬ができると思う。

<関連記事>
抗うつ薬が神経細胞を増やす

(2018年8月8日掲載)
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