教員の過重労働が浮き彫りに

厚生労働省は2018年10月30日付プレスリリースで、「平成30年版過労死等防止対策白書」(平成29年度我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況)を公表しています。

「過労死等防止対策白書」は過労死等防止対策推進法6条に基づき政府が毎年国会に提出しなければならない報告書で、今回で3回目の白書となります。ちなみに「過労死等」とは、(1)業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡、(2)業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡、(3)これらの脳血管疾患・心臓疾患・精神障害、をいいます。

「平成30年版過労死等防止対策白書」のポイントの一つは、過労死等が多く発生していると指摘されている「教職員」「IT産業」「医療」を中心とした重点業種・職種における過労死等の要因等の分析です。

ここでは、今回の白書の中から「教職員」に関する分析について、その一部を抜粋し、次のとおりご紹介します。

通常期における平日1日の実勤務時間については、「10時間超12時間以下」(50.2%)が最も多く、次いで「12時間超14時間以下」(24.1%)、「8時間超10時間以下」(20.9%)であった。全体の平均実勤務時間は11時間17分であった。

業務に関連するストレスや悩みの内容は、「長時間勤務の多さ」(43.4%)が最も多く、次いで「職場の人間関係」(40.2%)、「保護者・PTA等への対応」(38.3%)であった。

長時間労働の要因をみると、中学校教員及び高等学校教員では部活動に関連するものが多く、小学校では役職や委員会に関するものが多い。

精神障害事案についてみると、労災支給決定(認定)事案では約44%が女性であり30代が最も多い。教員の公務災害認定事案では約52%が女性であった。

精神障害の支給決定(認定)された要因としては、労災支給決定(認定)事案では長時間労働のほか、上司トラブル等の対人トラブルに関するものが多く、教員の公務災害認定事案では、保護者対応など、住民等との公務上での関係によるものが多い。

新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に向け、(中略)ICTの活用やタイムカード等により勤務時間を客観的に把握し集計する等の勤務時間管理の徹底、業務の役割分担や適正化、必要な環境整備等、教職員の長時間勤務是正に向けた取組を着実に実施していくことが重要であると考えられる。

【出典】
厚生労働省 プレスリリース

◇雑感
過労死等の防止のための対策は、その重要性について国民の自覚を促し、国民の関心と理解を深めることにより、行われなければならない。過労死等防止対策推進法では基本理念としてこう掲げている。国民の自覚と関心と理解。ふと思う。障害者雇用対策に関しても同じではないか。

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(2018年11月6日掲載)
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