コンドロイチン硫酸が神経新生の鍵

九州大学は2018年9月27日付プレスリリースで、コンドロイチン硫酸が、海馬において神経細胞(ニューロン)が新たに生み出される際の鍵となる役割を担っていることを、世界に先駆けて発見したと発表しています。愛知医科大学、神戸薬科大学との共同研究による成果です。

認知と情動の中枢である海馬では、脳の他の領域とは異なり、発達後もニューロンが生み出されますが、回し車やおもちゃなどを加えた刺激の多いケージ(豊かな環境)で飼育されたマウスの海馬では新生ニューロンが増加する一方で、ストレス環境で飼育されたマウスの海馬では新生ニューロンが減少することが報告されており、その仕組みについては多くの謎が残されていたといいます。

コンドロイチン硫酸は、軟骨の成分として知られ、神経系の発達や再生への関与で注目されている物質ですが、研究グループは今回、コンドロイチン硫酸の発現量が環境要因によって増減することに着目し、海馬のニューロン新生との関連を調べています。

その結果、豊かな環境で飼育されたマウスでは、コンドロイチン硫酸と新生ニューロンが増加し、記憶・学習能力の向上が認められたのに対し、コンドロイチン硫酸の合成に必要な酵素の一部を欠損させた遺伝子改変マウスでは、豊かな飼育環境下でもコンドロイチン硫酸が増加せず、新生ニューロンの増加と記憶・学習能力の向上も起こらなかったといいます。

今回の研究結果は、ニューロンが新たに生み出される際の鍵となる役割をコンドロイチン硫酸が担っていることを示すものであり、今後、脳や精神疾患に対する新しい治療法の開発につながることも期待されます。

【出典】
九州大学 プレスリリース

◇雑感
休みの日にテレビを見ていると、健康食品をはじめとする通販番組が実に多いと思う。よく見かけるのが「コンドロイチン」。ひざの関節痛に効くらしいが、海馬の神経細胞を増やす鍵を握る物質であることが今回明らかになった。新たな知見は、ビジネスも活性化させるんだろうな。

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(2018年11月20日掲載)
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