うつ病支援の「りはあさる」

九州大学は2018年12月8日付プレスリリースで、岩手医科大学との共同研究により開発中の、一般企業の社員がメンタルヘルスの不調を抱える同僚や部下に適切に関わるための知識とスキルを習得できる教育研修プログラムの暫定版を用いて、パイロット試験を実施したことを発表しています。

共同研究チームが開発中のプログラムは、オーストラリアで広く普及し国民全体のメンタルヘルス向上に貢献している「メンタルヘルス・ファーストエイド(MHFA)」と呼ばれる心の応急対応法をベースにしており、また、MHFAが12時間のプログラムであるのに対し、開発中のプログラムは、多忙な社員でも受講しやすいように、2時間のプログラムとしています。

2時間の社員向けプログラムの概要
(画像はプレスリリースより)

なお、2時間と短時間のプログラムながら、うつ病に関する知識を得るための講義に加えて、上司役・メンタルヘルスの不調を抱える社員役によって構成されるシナリオロールプレイ演習を通じて、体験しながらMHFAの5原則「り・は・あ・さ・る」※が実践的に身につく内容となっています。

※「り・は・あ・さ・る」
  1. り:声をかけ、スクを評価し支援を始めましょう
  2. は:決めつけず、批判せずにを聞きましょう
  3. あ:安心につながる支援と情報を提供しましょう
  4. さ:専門家のポートを受けるよう勧めましょう
  5. る:その他のヘプやセフヘルプ等のサポートを勧めましょう

今般、この暫定版のプログラムをパイロット試験として一般企業の会社員83名に受講してもらい、受講の前後と1か月後に受講者にアンケートへ回答してもらったところ、特に「メンタルヘルス不調者へ対応するスキル」と「不調者へ関わる上での自信」の向上が認められ、その効果は1か月後も続いていたことが確認されています。

また、受講後に「メンタルヘルスの不調に対する偏見」が低下したこともアンケート結果から認められ、今般のパイロット試験では本プログラムの有効性を示唆する結果が得られています。

共同研究チームでは、今後、本プログラムを多くの職場で実施し、実際にメンタルヘルス不調の早期発見・早期治療につながるか、その有効性を検証する予定だとしています。

【出典】
九州大学 プレスリリース(PDF)

◇雑感
「うつ病では早期介入・早期治療が重要ですが、知識不足や偏見などにより、特に初期には症状を自ら訴えることが稀」とリリースにある。ストレスチェック制度が施行され今年で丸3年。「いまだ抜本的な打開策が見出されていない」のは、アプローチに問題があるのかもしれない。

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(2019年2月11日掲載)
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