粘り強さ、海馬とセロトニンが制御

慶應義塾大学は2019年4月16日付プレスリリースで、目標を達成するまで粘り強く行動を続けるには、腹側海馬(海馬の中で不安などの情動制御に関与している部分)の活動低下が必須であること、また、その活動低下はセロトニン神経の活動増加が引き起こすことを、マウスを用いた実験で明らかにしたと発表しています。

目標達成のためには、(1)意欲行動を開始すること、そして、(2)意欲行動を継続することが必要ですが、(2)のメカニズムについては現在まで解明されておらず、研究グループは今回、不安が高まるとその活動も高まることが知られている腹側海馬に着目し、意欲行動の継続と腹側海馬活動の関係を調べています。

その結果、意欲行動の継続中は、腹側海馬の活動が抑制されていること、目標達成に至らずに行動を止めてしまうと腹側海馬の活動抑制が解除される(元に戻る)ことが判明しています。さらに、腹側海馬の活動抑制は、セロトニン神経の活動亢進によってもたらされることが判明しています。

うつ病では高い頻度で意欲低下が生じます。うつ病の心理療法として認知行動療法が近年注目されていますが、これを奏効させるには定期的な受診など根気が求められます。根気が途切れ認知行動療法が中断されるケースに、どのような介入ができるかといった新たな切り口で研究が進み、画期的な治療法につながることも期待されます。

【出典】
慶應義塾大学 プレスリリース(PDF)

◇雑感
目標達成まで粘り強く行動し続けるには、不安の軽減が重要である。今般科学的に明らかにされた。今のままで本当に良いのだろうかといった不安が高じると、物事を進める力も確かに弱まる。さて、ストレス社会の世。狭い日本だからか、必要以上に人間関係が濃いような気もする。

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(2019年6月5日掲載)
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この記事へのコメント
1. Posted by 青ちゃん   2019年06月05日 07:56
どすこいさん

認知療法を行っていた時、
どんな時も"大丈夫"と、当時の主治医は
言い続けてくれました。
まるで、幼い子供に言い聞かせるように。

子育てに似ている…そう思いました。

待つ…とても根気のいることですが、
安心を感じることが出来た時、
また、一歩前に進めるんだな…と、
我が子を見ていて強く感じました。
2. Posted by 運営者どすこい   2019年06月06日 03:20
青ちゃん

たとえ確信はなくとも、諦めずに待ち続けていれば、いつか甘露の日和が訪れるのかもしれませんね。
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