不眠症治療薬、オレキシン阻害薬が優位

筑波大学は2019年11月12日付プレスリリースで、不眠症治療薬であるオレキシン阻害薬とGAVA作動薬のそれぞれについて、身体機能と認知機能に及ぼす影響を検討し、その結果を発表しています。

研究グループは今回、オレキシン阻害薬(一般名:スボレキサント、商品名:ベルソムラ)、GAVA作動薬(一般名:ブロチゾラム、商品名:レンドルミン等)、偽薬を用いて、就寝15分前に被験者に投与し就寝させ、薬剤の血中濃度がピークとなる服用90分後に強制覚醒させ、身体機能と認知機能のテストを実施しています。

その結果、強制覚醒後のテストでは、偽薬を服用した場合でも身体機能と認知機能の低下が認められましたが、GAVA作動薬ではその低下がさらに大きく、一方、オレキシン阻害薬では偽薬を服用した場合とほぼ同程度の低下に留まったといいます。

不眠症治療薬を服用する高齢者の中には、睡眠の途中で覚醒しトイレに行く人もいて、転倒やそれに伴う骨折が報告されています。身体機能テストのうち平衡機能を見るテスト(重心動揺テスト)において、オレキシン阻害薬がGAVA作動薬よりも良い成績であったことは、今回の研究における特に重要な知見と考えられます。

【出典】
筑波大学 プレスリリース(PDF)

◇雑感
ベルソムラやロゼレムといった新しい作用機序の薬がなかった、うつ病を患った初期の頃、睡眠薬(サイレースだったか)を服用中、夜中にトイレに起きた際、大きくふらついて危ない思いをすることが続いた。若い時で体力もあり無事だったが、高齢者の場合は本当に注意が必要だ。

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(2020年1月15日掲載)
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