心の病 30歳代増加

心の病 30歳代増加

【2006年9月6日付読売新聞より抜粋・引用】

6割を超える企業で、うつ病など「心の病」を患う社員が増え、年齢層では30歳代が突出している。

社会経済生産性本部(東京)が2006年4月に実施した調査でこうした実態が明らかになり、職場のメンタルヘルス(心の健康)対策が注目されている。

30歳代の「心の病」が増加している原因は何か。

1989年に全国初の勤労者対象のうつ病専門治療病棟「ストレスケアセンター」を開設し、独自の理論を展開する不知火病院(大牟田市)の徳永雄一郎院長(58)に聞いた。

「心の病」を患うと、どんな状態になるのか。

「不安で会社に行けない、集中力が持続せず、仕事が時間通りに終わらない、などの症状が出る。病気を知らないと、『自分は能力がない』と、誤った判断をする。さらに悪化すると事故が起こりやすくなり、『死んだ方がいい』などと思ってしまう。以前は40、50歳代の管理職が多かったが、最近は30歳代の男性が多い」

誰でもそうなる可能性はあるのか。どんな状況が危険なのか。

「多くの勤労者は余力がない。ある調査では、8割が『健康』と答えながら、7割が『体が疲れている』、6割が『ストレスがある』としている。多くの人が膨らみすぎた風船のような状態となっており、ちょっとしたことで割れてしまう」

30歳代の患者が急増しているのはなぜか。この世代に特徴があるのか。

「この世代の患者に共通するのは、知的作業能力は高いが、コミュニケーション能力や人間関係の処理能力に欠けているという点だ。役職が付き、部下をまとめ、指導する能力が問われるようになり、体調を崩す人が多い」

コミュニケーションや人間関係の処理が苦手な原因は何かあるのか。

「この世代が子どものころに家庭の機能が大きく低下したことも要因の一つと考えられる。1970年代後半から女性の社会進出が盛んになり、家にいる時間が減った。一方で、男性が育児や家事をする時間は増えていない。その結果、子どもは近い距離で親から大事にされる体験が減ったと言える。仕事に疲れ果てた親は、子どもに話しかけられても『忙しいから』と聞かない。子どもは『甘えてはいけない』『頼ってはいけない』と学習する。こうした親に拒否されるような体験を重ねると、人に近付くのが怖くなる」

職場のストレスが家庭に持ち込まれ、悪い影響を受けた子どもが、働くようになって人間関係をうまく築けず、心を病んでしまうということか。

「そうだ。最近は『家族を大事にしたい』という人も多いが、その時間は持てていない。子どもが大きくなるまでは、週に3回は家族で食事するように努めたり、単身赴任を控えたりすることも必要かも知れない。そうしないと、せっかく就職しても途中で挫折してしまう人が増えることにつながりかねない」

ただ、従業員の負担を減らすため、企業が仕事の量を減らしたり、人を増やしたりするのは難しい。

「ぎりぎりの人員でやっているからこそ、従業員が長期休職すれば組織の経済的な損失は計り知れない。せめてトップが心の病の知識を深めて早期発見に努めるべきだ」

「今後、企業には、人格を成長させるような社員教育が必要となる。管理職は、家族にでも接するようにじっくり話を聞くことが求められる。高校や大学に家庭教育の問題が持ち込まれているが、次は企業だ」

個人では、どのような対策がとれるのか。

「自分自身にとって、過重労働になっていないかを冷静にみて、仕事に緩急をつけることが大切だ。運動や適度な飲酒によるストレス発散も効果がある。ただ、休養した方がいいケースもある。休日に好きなことをする余力もなく動けないような状態なら、仕事をセーブして休養し、エネルギーを復活させた方がいい」

◆組織、企業側の改革も必要

徳永院長が社会の問題点を分析できるのは、精神疾患患者に、社会のひずみや影の部分が象徴的に現れているからだろう。組織や企業は、心を病む社員の増加に悩みながらも、マイナスイメージとして覆い隠すため、問題が表面化せず、対策も遅れる。

うつ病への関心が高まったのは、増加する自殺の背景にうつ病併発があることが明白になったからだ。国内で、1日約100人が自ら命を絶つ異常な事態に、国も自殺防止策として、うつ病の早期発見事業に取り組み始めた。

しかし、徳永院長が指摘するように、職場のストレスが対人関係を築けない若者を生み出しているとしたら、組織や企業側からの思い切った改革も必要だろう。


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naosa_1998 at 07:48 │Comments(1)clip!うつ病関連ニュース 

この記事へのコメント

1. Posted by 天使    2008年09月10日 22:18
 社会がお金儲け主義になり、人を人として扱っていないです。
また、安ければいい、100円ショップのような商品で壊れやすくゴミもふえる。
ひとのあたたかみのない物に囲まれ、私たちは成長したのではないか?
教育界も相撲界も公的な機関ももう壊れていると感じます。
うつ病を薬で治すのは正しいのでしょうか?
環境を変えられず、夜眠れないと、精神科の薬を飲んでいる人がいます。飲む時間を、誤り、事故したり、会社に遅刻したりしています。
お医者さんはそこまで目が行き届かない。薬は、怖い。
夫が周3回求めてくるいやでもしかなしどうでもいい状態。眠っている間パンツを脱がされている。そんなこと、医者は知らないだろう。

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