抗うつ薬は十分な量を用いる

うつ病の薬物治療を行うときには、病状と抗うつ薬の量が必ずしも相関しないという点に注意する必要があります。

つまり、うつ状態が軽いからといって、抗うつ薬が少なくて済むというわけではありません。むしろ、少ない量を漫然と服用し続けることによって、うつ病が慢性化することもあり得るのです。

私の場合がまさにそうでした。最初の病院での抗うつ薬の処方量が、長い間最低単位の量だったため、結局うつ病を悪化させてしまうことになったのです。当時は、うつ病や抗うつ薬に関する知識がほとんどなかったため、医師の処方のまま飲み続けていました。

現在通院している医師は、必要十分な量の抗うつ薬を処方してくれ、それ以来、大きな波、小さい波はありつつも、私のうつ病は確実に良い方向に向かっています。

最初の病院にずっと通院していたら・・・抗うつ薬について勉強していなかったら・・・今も当時と変わらぬ症状に苦しんでいたに違いありません。

アメリカの精神科医のコクシスたちは、慢性の軽いうつ病である、気分変調性障害の患者を対象にして、三環系抗うつ薬のイミプラミン(薬品名:トフラニール)とまったく薬効のないプラセボ(偽薬)を、どちらかわからないようにして飲んでもらい、どの程度うつ症状が改善するかという二重盲検を行った結果を発表しています。

それによると、プラセボを飲んでいた人たちの改善率が13%だったのに対して、イミプラミンを100mgから300mgにまで増量したグループでは、59%の人が改善しています。

しかも、イミプラミンをそれだけ多く飲んでいた人たちの1年後の経過を見たところ、89%の人に改善が認められたといいます。

イミプラミンの場合、日本で一般的に使われている量はだいたい50mgから150mg位といわれていますので、この研究で使われた300mgという量は、かなり多いといえます。

つまり、うつ病の薬物治療では、十分な量の抗うつ薬を使う必要があることが、この研究からもわかると思います。

(2008年4月10日掲載)
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