食欲や性欲が最近ない

人間の生命活動に欠かすことのできない食欲や性欲に関する機能障害が起こるのも、うつ病の特徴的なポイントといえます。

食欲・性欲・睡眠欲が人間の基本的な本能ですが、うつ病になると、間脳など生命活動に関わる脳の部分に障害が起こり、これらの本能が何らかの形で低下すると考えられています。

ちなみに、フロイトは、人間の性本能のエネルギーを「リビドー(libido)」と名づけています。リビドーは、本来は強い欲望を意味するラテン語で、ユングは、このリビドーを単なる性本能のエネルギーではなく、生命のエネルギーと捉え、すべての本能のエネルギーの本体だとしています。

うつ病では、食欲低下という症状がよく現れますが、具体的には次のような症状があげられます。

  • 空腹感がなく、食物を見ても食欲が出ない
  • 無理をして食べても、おいしさが感じられず、何を食べても味がない
  • 無理に飲み込んでも、のどのあたりにつっかえる感じがする
  • 胃がもたれて食べられない
  • 食物を見るのもイヤ

このような症状により、食べる量が減り、当然体重も減ります。ひどい場合には、1か月に4〜5kgも体重が減少することもあります。

うつ病では、男女とも性的関心がほとんどなくなることが少なくありません。また、男女ともに性障害が現れ、男性ではED(勃起障害)が、女性では月経不順や無月経が起こることもあります。特に軽いうつ病の場合は、感情の乱れや意欲の減退などの精神的な症状が表面化する前に、性欲の低下という症状が現れることがあります。この場合、女性は婦人科を受診することが多いようですが、男性は仕事の疲れと思い込んで、気にしないまま放っておくことが多いようです。

(2008年4月10日掲載)
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