過敏性腸症候群(IBS)とは?

過敏性腸症候群(IBS)とは?

過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)は、大腸の運動異常によって引き起こされる病気と捉えられ、過敏性「大腸」症候群とよばれていた時期がありましたが、近年では、大腸だけではなく、広く消化器官の運動異常と捉えられていることから、過敏性「腸」症候群が正式名称となっています。

消化器官には各部位ごとに規則的なぜん動運動がありますが、過敏性腸症候群の多くの場合に、食道から直腸に至るまで様々な運動異常が認められています。

過敏性腸症候群は、食事や腸内のガスの移動などで悪化しますが、最も悪化させる要因が、ストレスとされています。近年の研究においても、消化器官の運動と感情を司る脳とが密接に関係していることが明らかにされています。

過敏性腸症候群の典型的な症状は、下腹部やみぞおちの痛みを伴った下痢や便秘の繰り返しで、痛みは排便によって軽くなり、また、睡眠中に症状がみられることは稀であるとされています。

過敏性腸症候群における便通異常は、下痢型、便秘型、下痢と便秘の交互型の3つのタイプに分けられますが、下痢型と交互型がほとんどで、便秘型は非常に少ないとされています。

ストレスやアルコールの過剰摂取、不規則な生活などで過敏性腸症候群は悪化・慢性化しやすい一方、週末や休日には症状が起こりにくいとされています。したがって、過敏性腸症候群は、現代社会が生んだ典型的なストレス病といってよいかもしれません。

過敏性腸症候群は、40歳以下の女性に多くみられ、また、腹痛や便通異常を訴える人の2割〜5割が過敏性腸症候群ともいわれています。

過敏性腸症候群では、疲れやすさ、食道が詰まる感覚、ほてり、動悸、頻尿など自律神経失調症の症状や、抑うつ、不安、焦燥感、不眠などの精神的な症状を伴うこともあるとされています。

このようなことから、過敏性腸症候群は、心身両面からの治療が必要になります。

下痢や便秘を繰り返す症状の対処療法としては、「コロネル」や「ポリフル」(一般名:ポリカルボフィルカルシウム)という、腸内で水分を吸収・保持し、便の固さをほどよく保つ過敏性腸症候群に適応する薬が用いられています。

また、下痢や便秘とともに、不安や抑うつなどが強い場合は、抗不安薬や
抗うつ薬
を用いる場合もあります。

多くは、心身両面からの治療とリラックスすることで、過敏性腸症候群は改善されますが、心理的な問題が中心にある場合は、認知療法などが併用されることもあるようです。

過敏性腸症候群は、消化器官自体に潰瘍や炎症などの異常があるわけではなく、命に関る病気ではないので、あまり神経質に考えずに、リラックスを心がけることが大切です。

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