うつ病と癌

癌患者のうち、5%〜10%にうつ病がみられるという研究報告があります。

癌とうつ病の関係については未だ完全には解明されていませんが、脳画像を用いた研究によると、癌でない一般的なうつ病患者の脳機能と同様、うつ病を発症した癌患者の脳のいくつかの部位(前頭前野など)で代謝が低下していることが示されており、共通したうつ病のなりやすさを有していると推測されています。

癌患者の中でも特にうつ病になりやすい要因としてあげられているのは、次の4つです。

  1. 進行癌
  2. うつ病の既往歴
  3. 癌による痛み
  4. 神経症傾向

また、癌によるうつ病は見逃されやすいというのも特徴で、これは、うつ病の症状の多くが癌の身体症状とオーバーラップする(例えば、食欲低下、痩せる、疲れやすいなど)ためといわれています。

うつ状態の癌患者は、自ら精神的な苦痛を訴えないことが多いので、癌の身体的な症状にだけ注目しうつ病を見逃すことのないように、「気分はどうですか?」「落ち込んだりすることはないですか?」などの言葉をかけることが大切だといわれています。

癌によるうつ病の薬物治療では、癌の進行度により、経口か静脈注射かを選択する必要が出てくることが、一般のうつ病と異なる点といえます。

(2008年6月6日掲載)
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