自閉症と広汎性発達障害
自閉症は、1940年代初めに早期幼児自閉症として報告され、当初は統合失調症の早期型と考えられていましたが、現在では自閉症と統合失調症とは切り離され、自閉症は発達障害(広汎性発達障害)と捉えられています。
広汎性発達障害とは、自閉症を中心的な障害とし、自閉症に似た発達障害の総称をいいます。具体的には、自閉症、レット障害、小児期崩壊性障害、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害(PDDNOS)が含まれます。
広汎性発達障害は、対人関係の障害、コミュニケーションの障害、執着的で常同的・反復的な興味や関心や活動、という3つの症状が診断基準とされています。対人関係の障害としては、母親に甘えない、一人遊びが好き、視線を合わせないなどがみられます。コミュニケーションの障害としては、質問してもオウム返しに言う(エコラリア)、身振り手振りが乏しいなど、言葉やコミュニケーション手段を上手く使うことができません。執着的で常同的・反復的な興味や関心や活動としては、興味や関心が偏って執着的であったり、また、行動が常に同じパターンであったりなどがみられます。
自閉症は、広汎性発達障害の中で最も多く研究されてきた障害です。従来においては、自閉症は、母親の不適切な養育や母子関係が原因であるといった誤った理解がされていましたが、現在では、遺伝的な要因を中核として、胎児期と出生後早期の時期までに様々な要因が作用して、脳機能の成長が障害されたことが原因と考えられるに至っています。
なお、自閉症発症においては、遺伝的な要因が深く関っていることが、ほぼ確実視されています。一卵性双生児の自閉症の一致率は80〜90%程度といわれている一方、二卵性双生児の自閉症の一致率は2〜10%程度と、兄弟における一致率並に低くなっています。ただし、一卵性双生児でも完全に一致するわけではなく、自閉症発症に遺伝的な関与は否定できないものの、他の要因が関与しているのは明らかといえます。
自閉症は、1,000人に1〜2人に発症するといわれています。また、男女比は3〜5対1と、男子の割合が非常に高いといわれています。
自閉症では知的発達にかかわらず、思春期以降も、こだわりの強さ、神経質、対人関係が苦手などの特徴は残り、また、てんかん、チック症(チック障害)、強迫性障害、パニック障害、うつ病、自傷行為(リストカット)などに発展する場合も多いといわれています。特に、てんかんは、自閉症児の約2割が思春期から成人までに発症するといわれています。
<関連記事>
・自閉症原因:発達期セロトニン異常の可能性
・脳の発達と出生の関係
(2009年3月18日掲載)
広汎性発達障害とは、自閉症を中心的な障害とし、自閉症に似た発達障害の総称をいいます。具体的には、自閉症、レット障害、小児期崩壊性障害、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害(PDDNOS)が含まれます。
広汎性発達障害は、対人関係の障害、コミュニケーションの障害、執着的で常同的・反復的な興味や関心や活動、という3つの症状が診断基準とされています。対人関係の障害としては、母親に甘えない、一人遊びが好き、視線を合わせないなどがみられます。コミュニケーションの障害としては、質問してもオウム返しに言う(エコラリア)、身振り手振りが乏しいなど、言葉やコミュニケーション手段を上手く使うことができません。執着的で常同的・反復的な興味や関心や活動としては、興味や関心が偏って執着的であったり、また、行動が常に同じパターンであったりなどがみられます。
自閉症は、広汎性発達障害の中で最も多く研究されてきた障害です。従来においては、自閉症は、母親の不適切な養育や母子関係が原因であるといった誤った理解がされていましたが、現在では、遺伝的な要因を中核として、胎児期と出生後早期の時期までに様々な要因が作用して、脳機能の成長が障害されたことが原因と考えられるに至っています。
なお、自閉症発症においては、遺伝的な要因が深く関っていることが、ほぼ確実視されています。一卵性双生児の自閉症の一致率は80〜90%程度といわれている一方、二卵性双生児の自閉症の一致率は2〜10%程度と、兄弟における一致率並に低くなっています。ただし、一卵性双生児でも完全に一致するわけではなく、自閉症発症に遺伝的な関与は否定できないものの、他の要因が関与しているのは明らかといえます。
自閉症は、1,000人に1〜2人に発症するといわれています。また、男女比は3〜5対1と、男子の割合が非常に高いといわれています。
自閉症では知的発達にかかわらず、思春期以降も、こだわりの強さ、神経質、対人関係が苦手などの特徴は残り、また、てんかん、チック症(チック障害)、強迫性障害、パニック障害、うつ病、自傷行為(リストカット)などに発展する場合も多いといわれています。特に、てんかんは、自閉症児の約2割が思春期から成人までに発症するといわれています。
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(2009年3月18日掲載)
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