アレキシサイミアと心身症

アレキシサイミア(alexithymia)は、心身症(精神的な問題が大きく関与している身体疾患の総称)の人に多くみられ、日本語としては失感情症や失感情言語症と訳されています。

アレキシサイミアとは、喜びや悲しみ、怒りなどの感情や、思考や言語などの働きに障害が現れ、自分の感情の動きを感知したり、自分の感情を言葉で表現する能力が著しく低下している状態をいいます。

アレキシサイミアに該当する人は、客観的な事実や周囲の状況などは説明することができますが、その出来事に対して自分がどう考えたのかなどをうまく言葉で説明することができません。空想力や想像力に乏しいのも、アレキシサイミアの特徴です。また、自分の心身の健康に対して、無関心な傾向もみられるようです。

加えて、アレキシサイミアに該当する人は、社会生活においては周囲との不適応を示すわけではなく、むしろ、過剰に適応していることの方が多く、その結果、自分自身でストレスフルな状況を作り出してしまうことが多いといわれています。過度の精神的ストレスを受け続けても、心の悲鳴を感じたり、それを言葉としてうまく説明することができないので、体に一層大きな負担がかかり、やがて心身症に陥る危険が非常に高いといわれているのです。

近年の研究では、アレキシサイミアの根底に、乳幼児期における母親との情緒的交流の問題があるとの指摘がなされています。

(2009年4月2日掲載)
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