選択性緘黙とは?

選択性緘黙(せんたくせいかんもく)とは、選択緘黙症ともいい、子供が言葉を話す能力は持っているのに、ある特定の場面で全く話さなくなる(緘黙)状態をいいます。

選択性緘黙の発症は、1,000人に2〜6人程度といわれ、男子よりも女子に多い傾向があるといわれています。発症年齢は3歳前後からで、遅くとも5歳頃までに始まるといわれています。

話しをしない範囲は非常に広く、たとえば、家庭では話すが外では話さないとか、学校で発言を求められた時だけ話さなくなるなど、多様です。この点において、自閉症とは異なるとされています。自閉症の場合、話しかけても、答えが返ってこない、視線を合わせない、同じ質問を繰り返す、同じ答えでないと落ち着かないなど、このような特徴がいつでもどこでも現れます。

なお、選択性緘黙においては、身振りや表情などの表現も抑制されることが多く、選択性緘黙が重症であるほど、黙る範囲は拡大する傾向にあるようです。

選択性緘黙の原因については、社会的な場面に置かれたときの緊張や不安の現れだと一般には考えられています。さらに、子供の家庭環境や発達障害が、選択性緘黙の原因となりうる重要な要素であるとの指摘もあります。

選択性緘黙の治療法としては、遊戯療法行動療法家族療法などの精神療法が広く用いられています。

選択性緘黙については、いずれ話すようになるという楽観的な考えは危険で、放置しておくと、経験が偏り、人格形成に大きな影響を与える可能性があるとされ、児童精神科への早期受診が重要とされています。

(2009年6月23日掲載)
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