双極性障害(躁うつ病)とは?

双極性障害は躁うつ病という病名で広く知られており、躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患をいいます。

双極性障害では、ある一定の期間を置いて、躁状態とうつ状態とが入れ替わり現れます。躁状態とは、概ね次の基準を満たしている場合をいいます。

  1. 気分が異常かつ持続性を持って高ぶり、開放的または怒りっぽいといった、いつもと異なった期間が1週間以上続く。
  2. 次の症状のうち3つ以上(気分が怒りっぽいだけの場合は4つ以上)みとめられる。
    • 自尊心の肥大、誇大
    • 睡眠欲求の減少
    • 多弁、談話心迫(黙っていられずに次々と話し出すこと)
    • 観念奔逸(考えが方向性なく次々と浮かび、止めることができない状態)
    • 注意散漫
    • 目標指向性活動の増加、精神運動性の焦燥
    • 悪い結果になる可能性が高い快楽的活動への熱中
  3. 社会的な問題行動や幻覚・妄想がある。
  4. 薬物や身体的な病気が原因ではない。

双極性障害は、うつ状態の時に受診するとうつ病と診断されてしまうこともあり、正しい診断が確定するまでに長期間の経過観察を必要とする精神疾患とされています。

双極性障害は通常2つのパターンに分類されており、一つが、躁状態とうつ状態を繰り返す「双極I型障害」と、もう一つが、軽い躁状態とうつ状態を繰り返す「双極II型障害」です。なお、うつ状態がなく、躁状態だけの場合も、双極I型障害に含まれます。また、軽い躁状態と軽いうつ状態を繰り返す場合は、気分循環症といいます。

双極II型障害では、躁状態とうつ状態の入れ替わりが速いラピッドサイクラーとよばれる状態もあります。

双極性障害の生涯有病率は、双極I型障害の場合が0.08%〜3.4%、双極II型障害の場合が0.6%〜5.5%という報告があり、うつ病の生涯有病率6.5%〜14%と比べると低い数値ではあるものの、決して珍しい精神疾患ではありません。

双極性障害の治療は薬物治療が中心になり、日本うつ病学会の治療ガイドラインでは、炭酸リチウムなどの気分安定薬(気分調整薬)や非定型抗精神病薬による治療が挙げられています。

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双極性障害治療ガイドライン改訂:日本うつ病学会

(2009年10月7日掲載)
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