うつ病の再発防止とSST

SSTとは、「Social Skills Training」の頭文字をとったもので、日本語では「社会的スキルトレーニング」や「社会生活技能訓練」などとよばれています。

うつ病などの精神疾患の症状が改善されても、たとえば人付き合いのぎこちなさが従来のままであると、周囲との人間関係がうまく築けず、それがストレスになって再発してしまうケースが多いといわれています。

SSTは、様々なストレスに対処し、日常生活や社会生活を円滑に送るうえで必要となる技能(社会的スキル)を高め、うつ病などの精神疾患の再発を防止するためのリハビリテーションの一つといえます。

SSTでは、たとえば、対人関係における恐怖や不安、社会生活での不適応行動などは、社会的スキルが不足しているか、あるいは、過去の誤った学習の結果であるという考えがベースになっています。そしてこの社会的スキルを、訓練(トレーニング)によって向上させ、再学習させることを目的とするものが、SSTです。

SSTは具体的には、自分の気持ちや考え、相手に対する要求などをうまく伝えるといった社会的スキルを向上させるために、数名から10名程度がグループになりロールプレイを行います。

グループの中では、ひとりひとりが、自分自身の問題意識から改善が必要な社会的スキルを明確にし、生活上の自主目標を決めて、ロールプレイをする場面を設定します。その後、グループ内で、お互いに良いところを見つけ、さらに良くするためにはどうすべきかについて自由に意見を出し合います。これらの結果を、実際の生活の中で実践して行きます。

SSTは、近年では認知療法の一つに位置づけられ、また、精神科病院においても積極的に実施され、効果を上げているといいます。

(2009年11月6日掲載)
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