精神分析療法とは？

精神分析療法は、フロイトによって創始された精神分析理論に基づいてなされる精神療法で、１世紀以上の歴史がある伝統的な精神療法です。

精神分析療法においては、自由連想法を基本原則としています。自由連想法とは、患者が心に浮かんだ事を自由に治療者に話していく方法です。

精神分析療法の治療者は、患者の話しに傾聴するとともに、中立性を保ちながら、患者の無意識についての理解（解釈）を伝えていきます。

現代の精神分析療法においては、エディプス・コンプレックスに焦点を当てています。エディプス・コンプレックスとは、幼児に生じる異性の親に対する愛着と、同性の親に対する敵意、そして、その敵意のために何らかの罰を受けるのではないかという不安を抱くことをいいます。さらに、心の深層においては、男女とも、母親との関係が重要視されています。

幼児期からの親との間のエディプス・コンプレックスを発見し、さらに深層にある母親との関係を検討していきますが、特に幼児期に恵まれない体験をした場合では、不安がその人に重くのしかかり、親に対してだけでなく、他人に対しても同じ不安や強い嫉妬などで悩み続け、自己実現が困難になります。

精神分析療法は、親との体験が他人に対しても及ぶことについて、治療者との間で解決し不安の軽減を図り、本来の自己を発揮できるようにするものです。

なお、精神分析療法は、患者の心理の深層にふれる治療法であるため、副作用のリスクが非常に大きいとされ、治療者には十分な専門的知識と専門的技術が求められるとされています。

精神分析療法については、一定の条件を満たす場合、保険診療が認められています。

（2010年1月16日掲載）