精神疾患の診断基準:DSMとICD

精神疾患の診断は、問診や行動観察に基づくことが多く、それゆえ、医師の主観的判断が入りやすく、診断にばらつきが大きいことが従来から指摘されてきました。

そこで、診断のばらつきを減らし、信頼性を高めるために近年では、国際的な共通の診断基準に従って精神疾患を診断し分類することが一般的となっています。

精神疾患の診断基準には、現在日本を含め各国で用いられている2つのものがあります。

一つはアメリカ精神医学会によるDSMで、もう一つが世界保健機関(WHO)によるICDです。

DSM、ICD、それぞれ改定が繰り返されており、DSM−IVやICDー10というように、数字が上がるほど最新のバージョンとなります。

DSMは、日本語では「精神疾患の分類と診断の手引き」とよばれ、一人の患者を同時に複数の軸から評価する多軸評定法が採用され、これにより診断基準が明確となり、国際的にも広く使用されています。ただ、精神障害の命名や分類などに関する批判や、臨床で使い難いという批判もあるようです。

ICDは、日本語では「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」とよばれ、日本においては公式の統計や、医師国家試験出題基準もこれに基づいており、国際標準としてふさわしく、また最も現状に合った診断基準といわれています。

(2009年10月10日掲載)
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