神経症とは?
神経症(neurosis)という用語は、現在の国際的な分類(DSMやICD)では項目としてはなくなり、使われることが少なくなっています。
神経症にあたるドイツ語は「neurose」(読みはノイローゼ)で、ノイローゼを神経症の意味で使うことがありますが、一般的に使われているノイローゼ(たとえば「育児ノイローゼ」「受験ノイローゼ」「青春ノイローゼ」など)は、もっと広い意味を持っています。
神経症は、うつ病や統合失調症などと比較して軽症であり、原因が器質的なもの(脳自体の障害)によらない精神疾患を通常意味します。また、神経症は、正常な心理の範囲内で理解できるような悩みの症状で、現実を著しく歪めて把握していることはありません。さらに、神経症では、人格は保たれ、意思の疎通に問題がなく、病識(自分が病気であるという認識)があるとされています。
不安や恐怖を主な症状とする神経症は、不安神経症といいます。最も多い症状が、強い不安発作が繰り返されるもので、現在の国際的分類では、パニック障害として位置付けられています。また、不安発作がない不安状態は、全般性不安障害として位置付けられています。
恐怖症とは、特定の事柄に対して不安や恐怖を示す神経症で、様々な名称の神経症があります。たとえば、対人恐怖症、広場恐怖症、閉所恐怖症、高所恐怖症、尖端恐怖症などがあります。
強迫観念や強迫行為といった強迫症状を主な症状とする神経症は、強迫神経症といいます。現在の国際的分類では、強迫性障害として位置付けられています。
強迫症状は、うつ病や統合失調症、自閉症などでもみられるとされていますが、多くは神経症性のものとされています。
強迫観念は、自分でも不合理であると分かってはいますが、ある観念が頭から離れず、振り払おうとしても取り除くことができません。この強迫観念は、軽度ですぐに消えるものは健常者でもみられますが、病的になると精神的活動を大きく妨げ、非常に大きな苦痛を与えます。
強迫行為とは、強迫観念と同様、自分でも不合理で馬鹿らしいものと分かってはいますが、実行しないではいられない行為をいいます。典型的な強迫行為の例としては、際限のない手洗い行為(洗浄強迫)、火の元などを何度も確認する行為(確認強迫)があります。
ヒステリーは、神経症性障害とされ、基盤となるヒステリー性格とは、自己顕示欲が強く、また、自己中心的で虚栄心が強く、さらに、わがまま、気分が変わりやすい、といった性格をいいます。ヒステリーは、現在の国際的分類では、転換性障害(身体表現性障害の一つ)や解離性障害として位置付けられています。ちなみに、ヒステリーは長い歴史を持った神経症で、ギリシャ語で子宮を意味する「hysteria」を語源とし、その昔ヒステリー患者は魔女扱いされていたといいます。
抑うつ神経症とは、主に抑うつ状態が続く場合をいいますが、この用語も現在では国際的分類から消え、大うつ病(だいうつびょう:躁状態を示さず抑うつ状態のみを示すうつ病)や気分変調性障害として位置付けられています。
<関連記事>
・森田療法と神経症治療
(2009年10月17日掲載)
神経症にあたるドイツ語は「neurose」(読みはノイローゼ)で、ノイローゼを神経症の意味で使うことがありますが、一般的に使われているノイローゼ(たとえば「育児ノイローゼ」「受験ノイローゼ」「青春ノイローゼ」など)は、もっと広い意味を持っています。
神経症は、うつ病や統合失調症などと比較して軽症であり、原因が器質的なもの(脳自体の障害)によらない精神疾患を通常意味します。また、神経症は、正常な心理の範囲内で理解できるような悩みの症状で、現実を著しく歪めて把握していることはありません。さらに、神経症では、人格は保たれ、意思の疎通に問題がなく、病識(自分が病気であるという認識)があるとされています。
不安や恐怖を主な症状とする神経症は、不安神経症といいます。最も多い症状が、強い不安発作が繰り返されるもので、現在の国際的分類では、パニック障害として位置付けられています。また、不安発作がない不安状態は、全般性不安障害として位置付けられています。
恐怖症とは、特定の事柄に対して不安や恐怖を示す神経症で、様々な名称の神経症があります。たとえば、対人恐怖症、広場恐怖症、閉所恐怖症、高所恐怖症、尖端恐怖症などがあります。
強迫観念や強迫行為といった強迫症状を主な症状とする神経症は、強迫神経症といいます。現在の国際的分類では、強迫性障害として位置付けられています。
強迫症状は、うつ病や統合失調症、自閉症などでもみられるとされていますが、多くは神経症性のものとされています。
強迫観念は、自分でも不合理であると分かってはいますが、ある観念が頭から離れず、振り払おうとしても取り除くことができません。この強迫観念は、軽度ですぐに消えるものは健常者でもみられますが、病的になると精神的活動を大きく妨げ、非常に大きな苦痛を与えます。
強迫行為とは、強迫観念と同様、自分でも不合理で馬鹿らしいものと分かってはいますが、実行しないではいられない行為をいいます。典型的な強迫行為の例としては、際限のない手洗い行為(洗浄強迫)、火の元などを何度も確認する行為(確認強迫)があります。
ヒステリーは、神経症性障害とされ、基盤となるヒステリー性格とは、自己顕示欲が強く、また、自己中心的で虚栄心が強く、さらに、わがまま、気分が変わりやすい、といった性格をいいます。ヒステリーは、現在の国際的分類では、転換性障害(身体表現性障害の一つ)や解離性障害として位置付けられています。ちなみに、ヒステリーは長い歴史を持った神経症で、ギリシャ語で子宮を意味する「hysteria」を語源とし、その昔ヒステリー患者は魔女扱いされていたといいます。
抑うつ神経症とは、主に抑うつ状態が続く場合をいいますが、この用語も現在では国際的分類から消え、大うつ病(だいうつびょう:躁状態を示さず抑うつ状態のみを示すうつ病)や気分変調性障害として位置付けられています。
<関連記事>
・森田療法と神経症治療
(2009年10月17日掲載)
スポンサーリンク