自閉症の症状

自閉症の症状は、3つに大きく分けられています。

1.対人関係の障害
母親に甘えない、視線を合わせない、同じ年齢の子と友人関係が築けないなどがあげられます。

2.コミュニケーションの障害
幼児期には言葉の遅れとして気づかれますが、その後は、オウム返し(これをエコラリアといいます)が目立つようになります。また、身振り手振りがうまくできない、発達相応のごっこ遊びや模倣遊びがないのも自閉症の特徴とされています。

3.想像力の障害と執着的行動
自閉症児は、想像力の発達障害があり、先の見通しを想像することができないため、特定の無意味な手順や儀式などへの執着的な行動がみられます。

また、自閉症児、特に年少の自閉症児によくみられる行動に、クレーン現象というものがあります。自閉症児のクレーン現象は、正式な医学用語ではありませんが、自分の要求を他人に示すときの特徴的な行動とされ、例えば、何かほしい物があるときに、その物がある所まで他人の手首をつかんで連れて行くといった行動を指します。

定常の発達児であれば、他人は自分の要求を理解していないという前提で要求を言葉で伝えますが、自閉症児のクレーン現象は、他人は自分の要求を理解しているという前提があるために生じる行動と考えられています。

タイムスリップ現象という症状も自閉症ではよくみられるとされています。これは、児童期・青年期にある自閉症児が、突然過去の記憶を思い起こし、その出来事をついさっき起こった事のように扱う症状をいいます。

タイムスリップ現象は自閉症特有のものではなく、統合失調症やてんかんなどでもみられるとされ、精神医学的にはエクムネジーといい、過去の出来事があたかも現在の出来事として体験される記憶障害と定義されています。自閉症のエクムネジーは、PTSDの心的外傷体験(トラウマ)に似た、非常な恐怖感を伴うことが特徴とされています。

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(2010年1月13日掲載)
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