睡眠障害の現状

睡眠障害という用語は、不眠と同じ意味でよく使われますが、睡眠に関する研究の進歩により、睡眠障害も不眠だけではなく、睡眠覚醒リズムの障害や過眠などの病態があることが明らかにされてきました。

睡眠障害の中でも特に過眠は、居眠りによる大事故などにつながりかねず、社会的には大きな問題といえます。

睡眠障害の背景にある現代社会をみると、昼夜の区別がなくなり、たとえばコンビニなどでは24時間営業が当り前となっています。また、仕事や勉強、遊びなどに時間が費やされ、睡眠が軽視され犠牲になりやすいということも指摘されています。

不眠をはじめとした睡眠障害は、文明の進歩とともに増加するといわれ、特にストレスが多い現代社会においては、睡眠障害を発症する頻度が高いとされています。

一般的に、アメリカでは3人に1人、イギリスでは4人に1人、日本やフランスでは5人に1人が、何らかの睡眠障害を持っているといわれています。

近年のアメリカでの調査では、睡眠障害を訴える人の半数が睡眠障害を重大な問題と認識しており、さらにその15%の人が医師の処方や市販の睡眠薬を使用し、残りの85%の人は睡眠障害に対する治療を何も受けていないことが明らかにされています。

(2009年12月6日掲載)
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