自律神経失調症の治療

自律神経失調症の治療は、大きく2つに分けられます。

一つは、現れている自律神経失調症の症状を抑える対症療法です。具体的には、痛みがあれば鎮痛薬、不眠であれば睡眠薬など、症状に合わせた処方がなされます。また、漢方薬や自律神経調整薬※もよく処方されます。対症療法で症状が改善されれば、身体症状によるストレスが軽減され、治療効果が上がることも期待できます。
※トフィソパム(製品名:「グランダキシン」「クラソパン」「バイダキシン」「グランパム」「ゲースベン」「トフィス」「リンブルグ」など)

もう一つは、精神面に向けた治療です。うつ病などの精神疾患でもみられる食欲不振や不眠、不安、気分の落ち込みなどがある場合は、抗うつ薬や抗不安薬が処方されます。また、カウンセリング自律訓練法が勧められることもあります。

自律神経失調症が疑われる場合、何科を受診すればよいのか悩むところです。自律神経失調症で病院を受診する場合、多くの人は、症状が現れている部位を診る診療科を受診するようです。たとえば、めまいや立ちくらみがある人は耳鼻咽喉科、肩こりがある人は整形外科を受診します。

これは悪いことではありませんが、検査をして異常がないと、「どこも悪いところはなく正常です」で済まされてしまったり、現れている症状に対する対症療法だけで済まされてしまう可能性がないわけではありません。症状が改善されればよいのですが、治らないと、次から次へと病院を変えるドクターショッピングに走る恐れがあるのです。

そこで、特に精神的な症状を伴っていれば、まずは心療内科の受診をおすすめします。心療内科は、心と体は一つのものとしてとらえて、心と体の両面から治療をしていく診療科だからです。近くに心療内科がない場合は、一般の内科を受診して相談してみましょう。

自律神経失調症の症状は漠然としたものが多いため、よほど重症にならないかぎり病院を受診しない人が多いようです。一時的な症状で終ればよいですが、慢性化したり悪化したり、別の症状が出たりする場合は、早めに病院を受診するようにしましょう。

うつ病などの精神疾患をはじめ病気全般にいえることですが、自律神経失調症も早期発見・早期治療が大切です。自律神経失調症でみられる不定愁訴は、心臓病や糖尿病、がんなどの初期症状として現れることがあるので、それらの病気を見逃してしまう恐れもあるからです。

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(2010年2月13日掲載)
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