解離性障害とは?
解離性障害の「解離」とは、ひどい虐待やいじめ、親の自殺現場に直面するなどの強い情動体験によって、人格の同一性が失われることを意味します。
解離性障害は、苦しんでいる自分を別の人格であると見立てる(解離機能)ことによって苦しい状況を回避しようとする、心因性の(心理的・環境的原因から生じる)障害です。
解離性障害は、解決が困難な問題や対人関係でのトラブルなどと密接に結びつきます。このような問題が慢性化し解離機能が日常化すると、現実の生活において、自分がまさに体験しているという感覚が失われていきます。
たとえ苦痛な経験であるとしても、自分から切り離されることにより、「何か欠けている」「自分は死んでしまった」といった空虚な感覚に襲われる場合があります。自分を守るべき解離機能が、自分そのものに対する感覚を薄め、ついに同一性を失わせるに至る病が、解離性障害です。
解離性障害の類型には、解離性健忘、解離性遁走、多重人格(解離性同一性障害)、離人症などがあります。なお、離人症については、解離性障害への分類に異議を唱える専門家がいます。
解離性障害の治療の基本となるのは、まず原因となっている環境要因の排除です。次に、その人の置かれた環境や受けた体験、性格、現れている症状などとの相互関係を理解し、精神療法により別々になった人格の統合を図ります。
解離性障害の治療は、精神分析療法などの精神療法、カウンセリング、リラクゼーションが中心となります。必要に応じて、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬などによる薬物治療を併用するのが一般的になっています。
しかし、別々になった人格を統合することは、容易ではありません。特に、幼い頃に受けた深い外傷体験を持つ場合や、多重人格(解離性同一障害)の場合は、治療が極めて難しいとされています。
(2010年3月15日掲載)
解離性障害は、苦しんでいる自分を別の人格であると見立てる(解離機能)ことによって苦しい状況を回避しようとする、心因性の(心理的・環境的原因から生じる)障害です。
解離性障害は、解決が困難な問題や対人関係でのトラブルなどと密接に結びつきます。このような問題が慢性化し解離機能が日常化すると、現実の生活において、自分がまさに体験しているという感覚が失われていきます。
たとえ苦痛な経験であるとしても、自分から切り離されることにより、「何か欠けている」「自分は死んでしまった」といった空虚な感覚に襲われる場合があります。自分を守るべき解離機能が、自分そのものに対する感覚を薄め、ついに同一性を失わせるに至る病が、解離性障害です。
解離性障害の類型には、解離性健忘、解離性遁走、多重人格(解離性同一性障害)、離人症などがあります。なお、離人症については、解離性障害への分類に異議を唱える専門家がいます。
解離性障害の治療の基本となるのは、まず原因となっている環境要因の排除です。次に、その人の置かれた環境や受けた体験、性格、現れている症状などとの相互関係を理解し、精神療法により別々になった人格の統合を図ります。
解離性障害の治療は、精神分析療法などの精神療法、カウンセリング、リラクゼーションが中心となります。必要に応じて、抗不安薬、抗うつ薬、抗精神病薬などによる薬物治療を併用するのが一般的になっています。
しかし、別々になった人格を統合することは、容易ではありません。特に、幼い頃に受けた深い外傷体験を持つ場合や、多重人格(解離性同一障害)の場合は、治療が極めて難しいとされています。
(2010年3月15日掲載)
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