電気けいれん療法(ECT):抗うつ効果解明へ前進
放射線医学総合研究所(放医研)は2009年12月15日付プレスリリースで、難治性うつ病治療に用いられる電気けいれん療法(通電治療法、ECT)が、脳内にどのような作用をもたらしているかに関して、そのメカニズムの一部を解明したことを発表しています。
運動調節やホルモン調節、認知機能、感情、意欲、学習などに関っているといわれる脳内神経伝達物質ドーパミンの受容体について、うつ病患者の脳内をPETを使って調べたところ、D2とよばれる受容体が減少していることを突き止めたそうです。ECTによる脳内神経伝達物質の受容体変化をうつ病患者の生体内で捉えることに成功したのは、世界初といいます。なお、受容体の減少は、神経から出るドーパミンの量が急激に増加したことを間接的に物語っているとのこと。
うつ病の原因として、これまで脳内神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンに関係する機能障害が考えられ、抗うつ薬もこの2つの神経系をターゲットにするものが中心になっています。
一方で、うつ病の主な症状とされる無快楽や意欲の低下は、ドーパミンに関係する機能障害が原因とする研究報告があり、ECTが高い抗うつ効果を発揮するのは、快感を与えるドーパミン神経伝達機能を変化させているからではないかと推測はされていましたが、人間の生体内での検証は、従来行われていなかったようです。
ECTがどのようにしてドーパミンD2受容体を減少させ(ドーパミンを多く出させ)うつ病の症状を改善させているかが解明できれば、今後、難治性うつ病の治療法開発などへ繋がる可能性があり、大きな期待が寄せられています。
(2009年12月19日掲載)
運動調節やホルモン調節、認知機能、感情、意欲、学習などに関っているといわれる脳内神経伝達物質ドーパミンの受容体について、うつ病患者の脳内をPETを使って調べたところ、D2とよばれる受容体が減少していることを突き止めたそうです。ECTによる脳内神経伝達物質の受容体変化をうつ病患者の生体内で捉えることに成功したのは、世界初といいます。なお、受容体の減少は、神経から出るドーパミンの量が急激に増加したことを間接的に物語っているとのこと。
うつ病の原因として、これまで脳内神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンに関係する機能障害が考えられ、抗うつ薬もこの2つの神経系をターゲットにするものが中心になっています。
一方で、うつ病の主な症状とされる無快楽や意欲の低下は、ドーパミンに関係する機能障害が原因とする研究報告があり、ECTが高い抗うつ効果を発揮するのは、快感を与えるドーパミン神経伝達機能を変化させているからではないかと推測はされていましたが、人間の生体内での検証は、従来行われていなかったようです。
ECTがどのようにしてドーパミンD2受容体を減少させ(ドーパミンを多く出させ)うつ病の症状を改善させているかが解明できれば、今後、難治性うつ病の治療法開発などへ繋がる可能性があり、大きな期待が寄せられています。
(2009年12月19日掲載)
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