抗うつ薬「パキシル」と乳がん治療

2010年2月10日付AFPによると、タモキシフェンによる乳がん治療を受けている患者が抗うつ薬パロキセチン(製品名:「パキシル」)を併用すると、乳がん治療の効果が薄れるとする研究結果が、カナダの研究機関から発表されたそうです。

乳がん患者に対しては、治療薬のタモキシフェン(製品名:「ノルバデックス」「タスオミン」)のほか、闘病によるストレスうつ状態などに対処する目的で抗うつ薬の「パキシル」が処方されることが多いといいます。

研究チームは、1993年から2005年までにタモキシフェンによる乳がん治療を受けた患者2,430人を対象に医療記録を調べたところ、抗うつ薬(その多くは「パキシル」)を処方されていたのは全体の3割。タモキシフェンと「パキシル」を併用した場合の治療5年後の死亡率は20人中1人と、長期的に見て死亡リスクを増加させることが判明したようです。

グラクソ・スミスクラインの「パキシル」に関する添付文書を調べたところ、「パキシル」とタモキシフェンの併用に関して次の記述がありました。なお、併用禁忌ではなく、併用注意としての記述です。
タモキシフェンの作用が減弱されるおそれがある。本剤が肝臓の薬物代謝酵素CYP2D6を阻害することにより、タモキシフェンの活性代謝物の血中濃度が減少するおそれがある。

なお、抗うつ薬、特にSSRIとタモキシフェンとの併用問題はこれまでも知られていたようで、ノバルティスファーマの2007年8月23日付プレスリリース(国際早期乳癌治療学会議に関する記事)には、「SSRI系の抗うつ剤はタモキシフェンとの相互作用を起こす恐れがある」という記述がみられます。

(2010年2月11日掲載)
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