死んだ母親コンプレックス
死んだ母親コンプレックス(the dead mother complex)とは、フランスの精神分析家グリーンが呼んだ、暗く死んだような母親像を抱く乳児の状態をいいます。
母親が我が子をかわいがることができないとき、母親自身の乳児期において、その母親(実母)が産後うつ病を患っていたり、次の子を流産するなどの出来事が生じているケースが多いことをグリーンは発見しています。
母親がこのような出来事に心を奪われている時、繊細な感受性を持つ乳児は、母親が居るけれども居ないという正反対の心象を同時に形成します。
そして、乳児に対する母親の無関心を感じ取ると、乳児は、一生懸命に声を出したり笑いかけたりして、元の明るい母親を取り戻そうとします。
しかし、功を奏することなく母親の暗く打ち沈んだ状況が続いた場合、乳児は、死んだ母親として受け入れます。
死んだ母親コンプレックスは、乳児の生き生きとした情動を抑制し、無感情、無表情、緊張などの防衛反応を誘発するとともに、将来、うつ病や不安障害など精神疾患の発症リスクを高め、また、我が子の虐待など深刻な事態に発展しかねないとも考えられています。
(2010年7月26日掲載)
母親が我が子をかわいがることができないとき、母親自身の乳児期において、その母親(実母)が産後うつ病を患っていたり、次の子を流産するなどの出来事が生じているケースが多いことをグリーンは発見しています。
母親がこのような出来事に心を奪われている時、繊細な感受性を持つ乳児は、母親が居るけれども居ないという正反対の心象を同時に形成します。
そして、乳児に対する母親の無関心を感じ取ると、乳児は、一生懸命に声を出したり笑いかけたりして、元の明るい母親を取り戻そうとします。
しかし、功を奏することなく母親の暗く打ち沈んだ状況が続いた場合、乳児は、死んだ母親として受け入れます。
死んだ母親コンプレックスは、乳児の生き生きとした情動を抑制し、無感情、無表情、緊張などの防衛反応を誘発するとともに、将来、うつ病や不安障害など精神疾患の発症リスクを高め、また、我が子の虐待など深刻な事態に発展しかねないとも考えられています。
(2010年7月26日掲載)
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