ペントシジンと統合失調症
2010年6月8日付読売新聞によると、統合失調症患者においてアミノ酸の一種「ペントシジン」の血液中濃度が高まっていることを、東京都精神医学総合研究所と東北大学の研究チームが突き止めたようです。
これまで、糖尿病、慢性腎不全、リウマチ様関節炎、重症アトピー性皮膚炎などの患者において、ペントシジンの血液中濃度の高まりが確認されていましたが、統合失調症患者において確認されたのは、今回が初めて。
ペントシジンの血液中濃度が高まっていたのは、調査対象となった統合失調症患者の約4割で、健康な人の2倍近い値を示したといいます。また、ペントシジンの血液中濃度が高い患者ほど、抗精神病薬が効きにくいことが明らかにされています。
さらに、ペントシジンの排出に関るビタミンB6化合物の低下が、約2割の患者に認められたといいます。ビタミンB6化合物は現在、米国において糖尿病合併症の治療薬として臨床試験中で、研究チームでは、統合失調症の新薬としても期待できるとしています。
統合失調症患者は、国内に約100万人。発症原因としては長い間、ドーパミンの神経伝達障害(ドーパミン仮説)が唱えられてきましたが、ドーパミンを抑える抗精神病薬が効かない患者もいるといわれています。
<関連記事>
・統合失調症の原因遺伝子
(2010年6月9日掲載)
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