ADHD(注意欠陥・多動性障害)のメカニズム解明

2010年6月18日付日本経済新聞によると、群馬大学がADHD(注意欠陥・多動性障害)のメカニズム解明に成功したことを発表しています。群馬大学と独ゲーテ大学の共同研究による成果です。

研究チームは、脳内に存在するタンパク質「CIN85」に注目。このCIN85を正常に持つマウスと持たないマウスを用いて実験したところ、CIN85を持たないマウスの運動量が正常に持つマウスと比べ20〜30%多いなど、人間のADHDと似た症状が現れたといいます。

ちなみに、脳内において放出された神経伝達物質ドーパミンは、受容体で受け止められます。受容体はドーパミンを受け止めると、その情報を伝達します。この仕組みにより、体が動きます。

ドーパミンを受け止め情報の伝達をし終えた受容体は、その後CIN85によって細胞内に取り込まれ分解されます。しかし、CIN85が存在しない場合、受容体は情報を伝達し続けることになります。したがって、体の動きを上手くコントロールできず、結果的に落ち着きのない行動となって現れると考えられています。

研究チームでは、人間でも検証するとしており、将来的には、ADHDの診断法や症状を抑える薬の開発に大きく役立つとしています。

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(2010年6月21日掲載)
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