自閉症原因:発達期セロトニン異常の可能性
科学技術振興機構と広島大学は2010年12月16日付プレスリリースで、自閉症ヒト型モデルマウスを使った研究で、発達期に脳内神経伝達物質セロトニンの異常が生じていることを発見したと発表しています。
自閉症ヒト型モデルマウスとは、自閉症患者の染色体異常で最も多く確認されている「15q11-q13」とよばれる染色体の重複を持つマウスで、人間の自閉症行動とよく似た行動を示します。今回の研究チームが、世界で初めて開発に成功しています。
自閉症に見られる行動障害は、臨床データなどからセロトニンと関係すると従来から推測されていましたが、未解明のまま。解明が困難だった要因として、自閉症の的確な動物モデルが存在しなかった点が挙げられます。
研究チームは今回、開発した自閉症ヒト型モデルマウスを使い詳しく調べたところ、発達期(生後1~3週)の脳の全領域において、セロトニン濃度が減少していることを突き止めています。
染色体「15q11-q13」の重複部分には様々な遺伝子が存在するため、どの遺伝子が行動障害の原因であるかは未だ特定できていないものの、染色体重複とセロトニンとの因果関係を明らかにした今回の成果は、今後、自閉症とセロトニンとの因果関係を探る上で重要な手掛かりとなるものであり、また、自閉症の診断や治療法の開発につながるものと期待されています。
<関連記事>
・脳の発達と出生の関係
(2010年12月19日掲載)
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