うつ病とスキーマ
スキーマ(schema)は、認知療法や認知行動療法における重要な概念で、外界を認識し考えや行動を方向づける根底にある信念を意味します。スキーマの形成には、過去のライフイベント、トラウマ、人間関係、成功体験などが影響していると考えられています。
スキーマは、一種のテンプレートとなって、自動思考を作ります。「私は愛されない」というスキーマを持つ人が、「会話中の相手のあくびを見る(事実)」⇒「私の話は退屈?(自動思考)」、「食事の誘いを断られた(事実)」⇒「私なんかと食事したくないのかな?(自動思考)」といったプロセスを辿るのがその例です。
スキーマは、状況によって活性化され、柔軟な考え方や自由な行動を妨げます。そのため、特にうつ病で悩む人にとって、スキーマを同定し修正することは、次のような大きなメリットがあります。
スキーマには、「自分は無能だ」「自分は愛されない」といった自己へのスキーマ、「他人は自分のことにしか関心がない」といった他人へのスキーマ、「渡る世間は鬼ばかり」といった世界へのスキーマの3つの領域があるとされ、特にうつ病と関係しているのが、自己へのスキーマです。
認知療法や認知行動療法を行う治療者は、治療の早期からスキーマの同定を念頭に置くべきとされています。また、患者のスキーマを同定する方法として、次のような質問が有効とされています。
【参考資料】
「うつ病の認知療法・認知行動療法 治療者用マニュアル」
(厚生労働省こころの健康科学研究事業「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」)
<関連記事>
・憂うつと自己評価
・淡々と生きる
(2011年2月14日掲載)
スキーマは、一種のテンプレートとなって、自動思考を作ります。「私は愛されない」というスキーマを持つ人が、「会話中の相手のあくびを見る(事実)」⇒「私の話は退屈?(自動思考)」、「食事の誘いを断られた(事実)」⇒「私なんかと食事したくないのかな?(自動思考)」といったプロセスを辿るのがその例です。
スキーマは、状況によって活性化され、柔軟な考え方や自由な行動を妨げます。そのため、特にうつ病で悩む人にとって、スキーマを同定し修正することは、次のような大きなメリットがあります。
スキーマには、「自分は無能だ」「自分は愛されない」といった自己へのスキーマ、「他人は自分のことにしか関心がない」といった他人へのスキーマ、「渡る世間は鬼ばかり」といった世界へのスキーマの3つの領域があるとされ、特にうつ病と関係しているのが、自己へのスキーマです。
認知療法や認知行動療法を行う治療者は、治療の早期からスキーマの同定を念頭に置くべきとされています。また、患者のスキーマを同定する方法として、次のような質問が有効とされています。
- いつも決まってそのように考える、何か心の中にあるルールや法則のようなものがあるのでしょうか?
- 価値観や、人生のモットーのようなものはありますか?
- 趣味、仕事、宗教、文化、教育、読書などが与えた影響は?
- 価値観を一変させるような体験はありましたか?
- 大きな影響を受けた人物はいますか?
- 人生で強く影響を受けた人は誰ですか?
- 励まし・自信をくれた人は誰ですか?
- 悩まされ・拒絶された人は誰ですか?
- その人との体験から得た信念は?どんな考え方になりましたか?
【参考資料】
「うつ病の認知療法・認知行動療法 治療者用マニュアル」
(厚生労働省こころの健康科学研究事業「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」)
<関連記事>
・憂うつと自己評価
・淡々と生きる
(2011年2月14日掲載)
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